Project/Area Number |
23K12528
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岩尾 俊兵 慶應義塾大学, 商学部(三田), 准教授 (50823895)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2027: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 経営戦略 / アクション・リサーチ / 社会実証実験的経営学 / 品質管理 / ビジネスモデル / 働き方改革 / 事業創造 / 技術経営 / プロジェクト・マネジメント / 人工物の科学 / 実験経営学 |
Outline of Research at the Start |
これまで、人工物のひとつであり、戦略系コンサルティングファーム等からすれば生産物でもあるはずの経営戦略には、既存の品質管理・生産管理の手法は適用できないと考えられてきた。 すなわち、オペレーションズ・マネジメント研究は様々な製品やプロジェクトの品質管理・生産管理について独自の進化を遂げており、同時に、経営戦略研究は経済学や経営組織論を取り込みながら独自の研究を遂げているのにも関わらず、なぜか両者の接合領域にはほとんど研究が存在しない間隙が残されているのである。 本研究は、この点をオペレーションズ・マネジメント研究と経営戦略研究の「ミッシング・リンク」であると考え、この知的空白を埋めることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、社会実証実験的経営学としての「経営戦略の品質管理」研究を進めていくにあたり、2本の論文を発表した。そのうち一本の論文では、広義の経営戦略の中のビジネスモデル論に着目し、ビジネスモデル概念を「無限の価値創造を目指して、価値提案・価値実現(具現化)・価値獲得(収益化)の三つのプロセスのそれぞれで、価値創造を阻害する様々な対立を解消するために設計された、活動システムの型(モデル)(岩尾, 2024)」と定義した上で、東証プライム上場企業において実際に事業創造業務を請け負いというアクション・リサーチをおこなった結果を報告している。 こうした研究は、ビジネスモデル研究における空白地帯だった「事業創造実践研究」を可能にするものである。このことは、過去のビジネスモデル研究のレビューをおこなう「文献レビュー的理論研究」、未来のビジネスモデル作成の手助けとなる手法を提案する「実践手法提案研究」、ビジネスモデルの成否を分ける要因を経験的根拠に基づいて議論する「定性的・定量的実証研究」に加えて、未来志向・実務貢献思考の研究余地を明らかにするという学術上・実務上の意義を持つ。 また、社会実証実験的経営学の射程を広げるために、当該年度に発表したもう一本の論文では、働き方改革と経営戦略の関係についても考察した。さらに、こうして得られたアクション・リサーチの知見を活かすべく、ソニーグループ株式会社の技術経営戦略の構築研究も現在進捗しており、翌年度に論文として公表される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定よりも早く社会実証実験的経営学への協力企業が現れたことから、研究進捗もまた予定よりも早く進んだ。今回の研究は社会との相互作用が不可欠であり、報告者の理論を実装する企業の協力が不可欠であることから、学術雑誌にこだわらない発信も行っている。これについても、当初の想定よりも多くの商業誌からの関心を得られている。こうしたことから、研究は当初の計画以上に進展していると評価している。ただし、今後は学術的堅牢さを追求していく必要があるため、来年度以降の進捗はまだ見通しが読めない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定よりも研究の進捗が早いことから、今後は、一歩進んだ研究および社会実装として、コンピュータ・プログラムの開発を考えている。具体的には、経営戦略の品質管理に資するようなシステムを開発し、情報理工学系の国際学会および国際学術誌での発表を考えている。 また、ソニーグループ株式会社における社会実証実験的経営学研究はすでに論文作成の段階にあり、この成果はすぐに発表される予定である。なお、ソニーグループ株式会社において開発した技術経営ツールには実務上の関心も寄せられていることから、英文化して米国の商業誌・ビジネス雑誌に(学術論文の要約版として)投稿する道も模索している。 こうしたことによって、理論の社会実装をより進めていく。
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