Project/Area Number |
23K12547
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
平尾 盛史 追手門学院大学, 経営学部, 講師 (20908470)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | P2P rental market / sharing economy / competitive strategy / game theory / individual uncertainty / platform / P2P製品レンタル / シェアリング・エコノミー / プラットフォーム / 競争戦略 / ゲーム理論 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、複数の数理モデル分析を実施し、P2Pレンタル市場の拡大が生産企業(とその対応)に与える影響の多面的な解明を行う。具体的には、製品/競争環境/消費者/プラットフォームの4つの側面に着目し、個々に重要な因子を突き止め、それらがマーケティング等に係る戦略(価格/品質/チャネル等)に与える影響とそのメカニズムを明らかにする。 本研究を通じ、P2Pレンタル市場という新たな変化に直面する生産企業が個々に、自身の戦略を検討する際に活用できる実務上有用な知見を導出することが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、消費者同士の製品レンタル市場(Peer-to-Peer(P2P)レンタル市場)の登場が、既存の製品市場及び生産企業のマーケティング戦略・競争戦略に与える影響を明らかにし、特に実務的な洞察を導出することを目的としている。初年度となる2023年度においては主に、「P2Pレンタル市場のもたらす影響に対し、製品属性の異質性が与える作用」と「選好(好み)に対する消費者自身が持つ不確実性(individiaul uncertainty)がP2Pレンタル市場の様相に与える影響」の2つのテーマについて、それぞれ独立に研究を進めた。 1つ目のテーマは、P2Pレンタル市場が既存市場に与える影響や生産企業の対応が、産業ごとで必ずしも一致しないことから着想された。例えば、いくつかの自動車メーカーは(レンタル市場の拡大により製品販売が妨げられるにも関わらず)、むしろ同レンタル市場を促進する姿勢を見せている。同テーマの中の具体的な研究の1つは、「製品使用頻度(Product Use Intensity: PUI)」ごとにP2Pレンタル市場が既存の市場・生産企業に与える影響を分析したものである。同成果は、ディスカッション・ペーパー(Which Product Categories Welcome Peer-to-Peer Product Rental Market?)としてまとまり、ジャーナルへの投稿を進めつつ、国際学会(Asian-Pacific Industrial Organization Conference)始め、学会などで計3回の研究報告を行った。 2つ目のテーマは、既存の議論の中で不確実性の存在がP2Pレンタル市場の利用を促進してるという指摘があり、これを受けて推進している研究課題である。現在、分析まで終了し論文執筆中の段階にある。同研究は計2回、研究会での報告を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時において、4年間の研究期間の内、1年目は「製品」、2年目は「競争環境」を、それぞれテーマに研究を実施することを予定していた。そして実際には初年度中に、「製品」は論文として形となり、投稿段階に進み、加えて「競争環境」についても分析を完了し、論文執筆の段階に進んでいる。ゆえに、「(2)おおむね順調に進展している。」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策についてはおおむね、申請時の計画通りに進めることを想定している。現在すでに進めている2つのテーマに係る研究については、学会や研究会などで適宜報告を行いつつ、2024年度中にジャーナルでの掲載を目指す。これら加えて、2024年度中に以下2つの研究課題に着手する。 1つ目の研究課題は、P2Pレンタル市場の存在を前提とした、生産企業による販売戦略である。一部の生産企業(例:IKEA)は、一般の製造販売事業とP2Pレンタル事業を同時に保有している。その結果、消費者に「購入」または「レンタル」の2つのオプションを提供することになるため、価格/バラエティ/品質/販売(再販売)のタイミングといった戦略的な意思決定事項を、2つの事業の相互の連関を考慮しつつ検討する必要がある、という新たな経営上の課題に直面している。本研究では、数理的なモデル分析をその研究手法に用い、上記の経営課題の検討に資する、実務的な洞察を導出することを目的とする。 2つ目の研究課題は、P2Pレンタル市場を運営するプラットフォームの内生的な意思決定である。同研究課題は関連する議論において十分な蓄積がない。実際、ほとんどの先行研究においてプラットフォームの存在や意思決定(例:レンタル料率)は、外生的に与えたうえで分析がなされてきた。本研究では、この既存の議論におけるギャップを埋めるべく、P2Pレンタル市場を運営するプラットフォームが直面する多様な意思決定課題について分析を行う。具体的には、レンタル料率の決定/レンタル料金付加主体(借り手または貸し手)の決定/ホールドアップ問題への対応、などである。
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