Project/Area Number |
23K12553
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
仙波 亮一 京都橘大学, 経営学部, 准教授 (70823938)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 自我脅威 / パワーハラスメント / 自己愛 / 職場 |
Outline of Research at the Start |
ストレスの多い対人関係は、円滑なコミュニケーションを阻害し、パワーハラスメント(以下パワハラ)に繋がる可能性がある。しかし、パワハラについての研究は少なく、その低減に有効な施策を提言するまでに至っていない。そこで、本研究では組織機能阻害行動研究の枠組みを応用し、労働者の自己愛を考慮しつつ、彼らがどのようにパワハラに至るか、また、どのようなサポートがその低減に有効であるかを、自己本位性脅威モデルを用いて検討する。具体的には、パワハラに至るまでのプロセスを質的、量的調査により解明した上で、パワハラの低減に有効なサポートを検討し、最終的にパワハラを低減させるための施策提言を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、労働者の自己愛を考慮しつつ、彼らがどのように自我脅威を知覚した上でパワーハラスメント(以下パワハラ)に至るか、また、どのようなサポートがその低減に有効であるかを検討し、パワハラ低減のための施策提言につなげることである。パワハラ研究については、心理的ストレス反応(永冨,2015)やパワハラ認知の研究(山廣・津田・鄧・仁位・入江,2017)が行われてきたものの、調査自体が困難なせいか、その低減についての研究はまだ少ない。そこで、本研究では、自己本位性脅威モデルを適用し、パワハラに至るプロセスおよび低減に有効なサポートを特定する。 職場では労働者が自我脅威を知覚すると攻撃行動を選択する傾向にあり、これらの行動を低減することが喫緊の課題である。この個人が攻撃行動を選択するプロセスを取り込んだモデルに自己本位性脅威モデルがある。このモデルは、否定的な外的評価を受けると、個人は自己評価とのズレから自己評価低下の危機を知覚する。 その上で他者評価を受けいれない場合は、自己評価を維持したままで、自分を否定した他者に対して否定的な感情を抱き、攻撃行動を選択すると考えられている。 本研究は、このモデルを活用してパワハラ研究に突破口を開く、挑戦的かつ先駆的な研究に位置付けられ、我が国組織におけるパワハラの低減についての詳細な議論や介入計画を立てることを可能にすると考えられる。 すでに当該年度では、パワハラを行う労働者の行動選択プロセスを解明するためのインタビュー調査を実施した。具体的には、自己本位性脅威モデルを適用した質的研究を探索的に行い、労働者の自己愛を考慮しつつ、彼らがパワハラに至るまでのプロセスを検討した。その結果、自己本位性脅威モデルにそくしたプロセスが見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、パワハラを行う労働者の行動選択プロセスを解明するために、協力者の労働者全員にインタビュー調査を実行し、逐語データを得ている。また、得られたデータを自己本位性脅威モデルに当てはめ、彼らがパワハラに至るまでのプロセスの分析を終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、組織におけるサポート認知がパワハラに及ぼす影響について量的に検討し、パワハラの低減に有効なサポートを特定していく予定である。具体的な研究の流れは、以下の通りである。①インタビュー調査の結果に基づいて分析モデルを構築する。②構築した分析モデルを検証するために、インターネットを利用したアンケート調査を実施する。③分析モデルにサポートに関する変数を組み入れ、その調整効果を検討する。④得られた結果を学会で発表する。⑤論文にまとめ、学会誌に投稿する。
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