心理学的知見と計量経済学アプローチによるコンジョイント分析の精緻化と応用
Project/Area Number |
23K12566
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07090:Commerce-related
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
猪狩 良介 法政大学, 経営学部, 准教授 (00824468)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | コンジョイント分析 / 文脈効果 / 離散選択モデル / 階層ベイズモデル / マーケティング・リサーチ / マルコフ連鎖モンテカルロ法 |
Outline of Research at the Start |
消費者のニーズや効用を捉えるコンジョイント分析はマーケティング・リサーチにおいて広く用いられている。しかし、市場調査の場面で生じる文脈効果は、実際の購買場面ではほとんど生じないなど、コンジョイント測定と実際の購買の間には乖離が存在する。そこで本研究では、コンジョイント分析をより実購買場面に近づけることを目的として、文脈効果などの心理学的知見を考慮したコンジョイント分析を提案する。具体的には、コンジョイント分析に文脈効果や繰り返し調査による回答者の変化の構造を統計モデルにより盛り込むことで心理的要因と回答者の変化などの要因を分離し、本来の消費者の選好を推定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マーケティング・リサーチ手法の1つであるコンジョイント分析をより実購買場面に近づけることを目的として、文脈効果と繰り返し回答によって生じる回答者の選好変化に着目する。文脈効果を考慮したコンジョイント分析はいくつか提案されているが、これまでに考慮されてきた文脈効果は、魅力効果・妥協効果・類似性効果などの1回の選択セット内に生じるものが多く、複数の選択セット間の影響(背景対比効果)はこれまで考慮されてこなかった。また、実際の購買場面ではよく生じる製品の欠品による選択への影響(幻効果)を捉えたコンジョイント分析もこれまでに行われていない。本年度は文脈効果(背景対比効果・幻効果)を考慮した2つのコンジョイント分析手法を開発した。 1つ目は、過去に提示された選択セットの影響である背景対比効果を考慮したコンジョイント分析を開発した。背景対比効果の影響を数理モデルによって離散選択モデルの効用関数に組み込む方法を開発し、プレ調査データを用いてその有用性を検証した。分析結果から、2種類の商材に関する調査データいずれにおいても背景対比効果が生じていることが明らかになった。研究成果は国内学会にて報告し、現在本調査の実施準備中である。 2つ目は、選択肢が提示されているにもかかわらず、何らかの理由で現在利用可能ではない幻選択肢により生じる文脈効果である、幻効果を考慮したコンジョイント分析手法を開発した。幻効果をコンジョイント分析に組み込むために、選好順位を選択する統計モデルを開発し、プレ調査を実施した。現在、プレ調査データを分析し、本調査の実施準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始1年目で、背景対比効果と幻効果を考慮した統計モデルの開発とプレ調査を複数回行うことで事前検証は予定通り完了した。また、当初は本調査を初年度に1回実施予定であったが、分析モデルについて懸念事項が生じたため、プレ調査を複数回実施してモデル検証を行ったため、予定を延期した。しかし、プレ調査による検証を通じて懸念事項は解消されており、また研究開始1年目で開発モデルについて学会報告を行うといった進展もあったことから上記区分が相当と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き関連テーマについての研究を実施する。具体的には、前年度に実施した背景対比効果を考慮したコンジョイント分析の本調査を前期に実施し、結果をまとめて年内に論文執筆を終える予定である。加えて、幻効果を考慮したコンジョイント分析の本調査を後期に実施し、年度内に実データ解析まで実施予定である。加えて、繰り返し調査による消費者の選好変化と文脈効果を分離したコンジョイント分析モデルの開発を年度内に実施し、シミュレーションデータを用いて検証を実施する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)