Project/Area Number |
23K12584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
山矢 和輝 帝京大学, 経済学部, 准教授 (30907564)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | ビジネスインテリジェンス / 管理会計 / マネジメントコントロール / クラウド / データ分析 / 戦略的意思決定 / 原価企画 / 業績管理会計 / BI / 組織業績 |
Outline of Research at the Start |
情報技術を活用したデータ分析であるBIを活用することで企業の競争優位性が高まる証拠が多く示されている。一方、一部の企業ではBI導入後に競争力が低下したことも示されており、BIとMCS及び組織業績との関係性に関して学術的に更なる検証が必要である。 わが国でもBIが企業投資の上位を占めるようになっているが、わが国企業は経営意思決定や市場競争分析のための情報システム活用が苦手である証拠も示されており、わが国企業の特徴をふまえたBI成功要因の解明は喫緊の課題といえる。本研究は、わが国企業がMCSの質と国際的な競争力を高める上で、BIを適切に活用するための因果メカニズムを明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,ビジネスインテリジェンス(以下BI)を活用し,マネジメントコントロールの質と組織業績を高めているわが国企業の特徴を明らかにすると共に,BI活用度を高める組織能力も含む因果メカニズムを明らかにすることにある。なおBIとは、「情報技術を活用したデータ分析」と定義される。 本年度に計画していた4つの活動(①アンケート調査票の設計、②わが国上場企業への調査実施、③回収・集計、④BI利用実態の解明)に関して、おおむね予定通りに研究を進めている。 「①アンケート調査票の設計」については、英文学術誌を中心とした先行研究調査を通じて、調査項目を設定した。また、この調査結果を元に学術論文を執筆した。本論文は、英文学術誌に掲載された実証的なBI研究を調査対象とし、そこで示されたサービス組織におけるBI成功要因とBIの効果に関する発見事項を整理し、最後に今後の研究の方向性を検討した。 「②わが国上場企業への調査実施」については、予定通り東証上場企業(約3,800社)への調査を行った。 「③回収・集計」については、研究遂行に十分な回答(有効回答206社)を得ることが出来た。 「④BI利用実態の解明」については、分散分析による実証的な研究を進めている。本研究については、先行研究をふまえ、BIの発展段階に着目した。「クラウドBI」・「オンプレミス(自社サーバー型)BI」・「Excel等のスプレッドシート」の3つの発展段階毎に、管理会計の諸項目のパフォーマンスを比較、分析した。また業種毎の特徴と企業規模毎の特徴についても分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画していた以下の4つの活動に関して、概ね予定通りに研究を進めている。 ①調査票の設計に関して、欧米の先行研究の追加調査を実施し、発見事項を整理し、調査項目を設定した。また、この調査結果を文献研究として、帝京経済学研究誌に投稿した。 ②郵送質問票を用いた調査実施にあたり、外部調査会社へのヒアリングを通じて、新型コロナウイルス流行期間後に郵送質問票調査による回答率が著しく低くなると共に、Web回答が主流になっていることが判明した。回答率を高めるために、郵送回答とWeb回答の併用による調査が望ましく、また人件費と郵送料金が高騰している状況もあり、調査の効果性を高め、調査費用を削減するために、本研究補助金(BIとマネジメントコントロールの質・組織業績との関係性)に基づく郵送調査と、別の研究補助金(牧誠財団より受領した「RPAと管理会計との関係性」に関する研究補助金:100万円)に基づく郵送調査を同時に実施した。外部調査会社3社から見積もりを入手し、価格・実績等を考慮し、外部調査会社1社を選定した。 ③外部調査会社のサポートを受けて、2023年11月~12月に東証上場企業3,792社に対して、アンケート調査票を郵送し、2024年1月末に郵送解答とWeb解答を併用する形で回収と集計が完了した。この郵送調査の同時実施により、調査費用を抑え、かつ郵送解答とWeb解答を併用することが出来、研究を遂行するために十分な回答数(有効回答206社)を得ることが出来た。 ④2024年2月~3月にかけて、BI利用実態を解明するため、アンケート調査結果の分析と論文執筆を行った。2024年4月以降も、引き続き本論文の執筆を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、2024年度以降は、2023年度のアンケート調査により得られたデータ(206社)を分析し、以下のように論文執筆、学会報告、学術誌への投稿を進めていく。 ①BIの3つの発展段階(クラウドBI・オンプレミスBI・Excel)に着目した研究について、2023年度末から継続して論文執筆を進めており、2024年8月末の日本会計研究学会全国大会において報告を行う。学会での討論を経て、国内もしくは海外の査読付き学術誌への論文投稿を予定している。 ②ビジネスインテリジェンス&アナリティクス(BI&A)の効果を高めるための組織能力と戦略的意思決定の包括性・速度、組織業績との関係性を共分散構造分析により検証する。本研究は、海外の学会で報告を行った後、学会での討論を経て、査読付き海外学術誌への投稿を予定している。 ③「高業績企業群」と「中~低高業績企業群」に企業を分類し,高業績企業群におけるBI利用実態の特徴を示した実態調査研究を執筆する。本研究は、記述内容が多くなることが予想されるため、文字数制限の無い帝京大学経済学研究誌への論文投稿を予定している。 ④BI、ビッグデータ(外部・内部データ)の利用度、原価企画の実践度との関係性を共分散構造分析により検証する。本研究は、国内もしくは海外の学術誌への投稿を予定している。 ⑤上記の研究で得られた知見を元に、わが国企業で求められるBIを用いたデータ分析に強い人材の育成を目的として、BI会計教育を実践し、BIによる会計データ分析教育の方法と、その効果等に関して、会計教育実践論文を執筆する。
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