Project/Area Number |
23K12618
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
若狹 優 神戸大学, 人文学研究科, 人文学研究科研究員 (60885127)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 社会学理論 / 社会学史 / デジタルメディア / 相互行為 / 共在 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、相互行為の社会学の代表的論者である、アーヴィング・ゴフマンの社会学理論をデジタルメディア研究への応用に向けて再構築することである。そのために、本研究では「他者と同じ時空間を共にすること」である「共在」に注目する。ゴフマンが「共在」をどのように捉えているのかを理論内在的・学説史的観点から明らかにすることを通じて、共在しない相互行為状況を作り出すデジタルメディアでの相互行為を考察することが可能な形にゴフマン理論を再構成することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アーヴィング・ゴフマンの相互行為に関する社会学理論を現代のデジタルメディアの研究への応用に向けて、「共在」に注目しながら再構築することにある。そのために、本研究では、ゴフマンの社会学と関わりを持つ、ゲーム理論、社会言語学・動物行動学、エスノメソドロジーや会話分析などの周辺領域の関係性を取りあげ、ゴフマン社会学における「共在」について多角的な考察を行い、それらを踏まえて、デジタルメディア研究への応用に向けて、理論的再構築を行う。そのために、本研究では、ゴフマン関連のアーカイブスに収められた資料の調査を行い、学説史的観点から、ゴフマン社会学の可能性を再考することを試みる。 研究初年度にあたる本年度は、アーカイブス調査に向けて、ゴフマンの社会学理論における理論内在的な検討に取り組んだ。ゴフマンの社会学理論において「共在」と関わりを持つ概念である「関与」について、理論的彫琢を行った。その結果、「関与」は、相互行為から社会を考えるために非常な重要な概念であり、この概念をさらに発展させることで、ゴフマンの社会学理論の経験研究への応用可能性がさらに高まることが明らかとなった。また、続けて、ゴフマン社会学における「状況」についても検討を行った。その結果、ゴフマンがいかにして「状況」を社会学の探究の対象として位置づけていったのか、その一端が明らかとなった。そのほか、ゴフマンの社会学ならびにエスノメソドロジーに関するシンポジウムを開催し、相互行為の社会学の研究者たちと学術的な議論を行った。次年度以降では、これらの成果を踏まえて、オンライン・アーカイブスの調査に移り、研究を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では、ゴフマンの社会学理論、とりわけ「関与」や「状況」といった重要概念を理論内在的に把握することができた。この知見は、アーカイブスを調査する際の一つの「指針」になりうると考えている。これによって、次年度以降のオンライン・アーカイブスの調査をより円滑かつ有益に進めることができる。そのため、研究は概ね順調に進展していると言えるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、アーカイブスの調査に着手する。本年度で得た知見を踏まえて、アーカイブスの資料を読解し、ゴフマン社会学の経験的研究への展開可能性について考察を行う。そこで得た知見を踏まえて、デジタルメディア研究への応用の可能性を探る。本来は初年度にオンライン・アーカイブスの調査をする予定で、次年度以降は現地調査へ赴く予定であったが、計画を変更し、次年度にオンライン・アーカイブスの調査と現地調査の両方を行うこととした。 こうした成果は、学会報告ならびに論文の形で発表するほか、書籍としての刊行も予定している。
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