Project/Area Number |
23K12703
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
大島 千尋 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(長崎), 研究員 (60824357)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 水産物 / 消費期限延長 / 機能水 / 衛生管理 |
Outline of Research at the Start |
近年、「熟成」と呼ばれる処理方法が注目を浴びている。魚の熟成には、数日から2週間ほど時間をかけることが多いが、安全に熟成処理を施すためには冷蔵で長期間保存可能な品質管理が必要である。そこで本研究では、長期間保存(熟成処理)可能な魚肉の加工方法の開発を目的に研究を行う。はじめに、鮮魚の腐敗や変敗の主な原因となっている微生物種を特定し、それらに対する殺菌効果の高い鮮魚の洗浄方法を検証する。次に、魚の衛生的な取り扱い方法、加工・保存方法について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、計画に従い鮮魚保存中の微生物叢の変遷と腐敗に関わる細菌叢の解析、および鮮魚の効果的な洗浄方法について研究を行った。マアジを複数の温度下で保存し、部位別に継時的にサンプルを回収して保存中の菌叢および菌数の変化について調査した。鮮魚の菌叢は、部位に関わらず、初期のうちは多様性が高いが、保存中に一定の菌叢にそろうという、これまで他の魚種やほかの温度条件で保存した場合と同様の結果が得られた。菌数は、保存温度が低いほど増殖が遅かった。保存の終期に菌叢の大半を占める菌種をSSO(Specific spoilage organism)として、洗浄によるこれらの細菌の殺菌効果について調べることとした。 SSOに対して、機能水および食品添加物添加水を用いた鮮魚の洗浄効果を検証した。丸魚もしくは刺身用に加工されたさくを、機能水および食品添加物を加えた水で洗浄し表面の細菌数の変化を調べた。併せて、洗浄後も生残していた菌の菌叢を調べた。その結果、機能水の種類によっては殺菌効果がほとんどなかった。洗浄効果の示された条件では、菌数レベルが腐敗に達するまでの期間を1-2日延長することが可能であった。また、洗浄後のサンプル表面に生残していた菌種は、先の実験でSSOと判断された菌種が多かった。SSOと判断された菌種の分離株について、機能水および食品添加物と単純暴露した場合には殺菌効果を有していたことから、洗浄時に有機物により殺菌因子が消化され、十分な殺菌効果を発揮できていない可能性が考えれた。また、うろこがあるなどの丸魚に特異的な表面構造により細菌が生残しやすい可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の計画通りに研究を遂行した。初年度に予定していた鮮魚のSSOの解析を予定通り終了した。さらに2年目以降に予定していた主なSSOに対する機能水および食品添加物の殺菌効果および洗浄効果を検証した。次年度以降は、当初の研究計画にしたがい、鮮魚の効果的な洗浄条件の確立や加工法の検証により鮮魚の消費期限延長技術を検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従い、魚のうろこやぬめりなどが洗浄時の殺菌効果を低減させていると考えられることから、これらに対しても効果的な洗浄条件を検証する。また、洗浄後も残存した微生物のコンタミネーションを最小限に抑える加工法の検討を行う。
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