Project/Area Number |
23K12710
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 夏美 京都大学, 防災研究所, 特定研究員 (90902487)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 防災教育 / アクションリサーチ / 主体性 / リスクコミュニケーション / 学習環境 / 地域防災活動 / 学校教育 / アクション・リサーチ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、防災をテーマとして、新しい学校教育のフレームワークを構築することをめざす。これまでの学校防災教育では、学校が中核的主体となって、知識の習得や児童・生徒の主体性の育成、他機関との連携など、防災教育で求められる要素をすべて担ってきた。しかしながら、学校のみの教育では、本来、実社会に結びついて理解されるはずの「知識」は脱文脈化され、児童・生徒の「主体性」は喪失してしまう。学校の中で学ぶ「知識」を学校外の教育活動の場と協調させることで、実社会の中で文脈的に理解され、学びに対する「主体性」を育むことが可能となる。本研究課題では、この理論に沿って、具体的な実践・調査・研究に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、防災をテーマとした新しい学校教育のフレームワークを構築することである。学校教育で学ばれる防災の「知識」が学校の外の教育活動の場と協調して文脈的に理解されることで、「知識」の習得と「主体性」の同時育成を目指す。 2023年度は、鳥取県日野町日野学園(旧根雨小学校)および京都府京丹波町下山小学校と連携し、授業アンケートの形式を工夫し、メッセージ-カードアンケートを導入した。回収したメッセージの内容について、個別的な分析を行うことで、児童らの防災に対する質的な意識の変化について捉えることができた。授業アンケートを授業後のフォローアップイベントとして捉えることで、主体的な学びが成立しているかどうかについて、具体的に評価することの可能性を明らかとした。また、高知県黒潮町大方児童館を研究フィールドとして、家庭内でどのように津波避難についての認識共有が行われているかを、親子の会話から分析した、結果として、児童らの主体的な避難行動および防災意識を推進するためには、そのことについての会話の中に重要な観点があることを明らかとした。さらに、高知県四万十町興津地区で、実施した。小学校で作成した防災マップが、地域社会でどのようにとらえられているか、また実際にどのように活用されているか、今後、誰が(どの組織が)どのように活用するか、といったことについて調査を行い、そうした地域社会の動きが、児童らの学習効果にどのような影響を及ぼしているかについて明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の実施計画は、以下の3点であった。 1)学校防災教育において、主体的な学びの評価軸を構築すること。2)防災における主体的な行動を推進するために必要な要素を抽出すること。3)学校教育において、地域との連携が、児童らの主体性にどのように寄与するか、防災教育の実践から明らかとすること。 1)については鳥取県日野町日野学園(旧根雨小学校)および京都府京丹波町下山小学校と連携し、授業アンケートの形式を工夫し、メッセージ-カードアンケートを導入した。回収したメッセージの内容について、個別的な分析を行うことで、児童らの防災に対する質的な意識の変化について捉えることができた。授業アンケートを授業後のフォローアップイベントとして捉えることで、主体的な学びが成立しているかどうかについて、具体的に評価することの可能性を明らかとした。 2)については、高知県黒潮町大方児童館を研究フィールドとして、家庭内でどのように津波避難についての認識共有が行われているかを、親子の会話から分析した、結果として、児童らの主体的な避難行動および防災意識を推進するためには、そのことについての会話の中に重要な観点があることを明らかとした。 3)については、高知県四万十町興津地区で、実施した。小学校で作成した防災マップが、地域社会でどのようにとらえられているか、また実際にどのように活用されているか、今後、誰が(どの組織が)どのように活用するか、といったことについて調査を行い、そうした地域社会の動きが、児童らの学習効果にどのような影響を及ぼしているかについて明らかとした。 以上のように、2023年度は実施計画通りに概ね研究を推進できたことから、「おおむね順調に推進している」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
申請した研究計画書に基づいて、以下の通りに研究を推進していく。 ・複数の教科間で、総合的・横断的に「防災の知識」が「防災“以外”の知識」と結びつくことをめざし、クロスカリキュラムをベースにした防災教育カリキュラムを構築する。2023年度に明らかとした、メッセージ-カードアンケートの効果を活用しながら、教科の系統性を保持するクロスカリキュラムのためのツールを開発・導入する。 ・主体性育成のために、学校外教育の地域社会・日常生活に対する波及効果について明らかとする。特に、主体的な防災行動における学校外教育の役割について定性的に調査する。 ・学校教育と日常・実生活の結び付きの程度が、主体的な防災行動に影響することを明らかとするために、2023年度に明らかとした、学校教育から発信する防災マップを地域で誰がどのように活用するかという観点を元に、実際の展開について追跡調査を行う。 ・2023年度も含め、これら研究成果については国内外の学会が公刊する学術論文へ投稿するとともに、国内外の学会会議で報告する。また研究成果の検証をめざし、研究実践対象地をさらに増やし、広く社会への還元をめざしていく。
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