Project/Area Number |
23K12713
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
志賀 祐紀 奈良女子大学, アジア・ジェンダー文化学研究センター, 協力研究員 (30835864)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 航路体験 / 留学 / 女子教育 / グローバル移動 / 近代日本人女性 / 中目たき / 湯浅年子 |
Outline of Research at the Start |
戦前期の日本では多くの女性が欧米へ留学しているが、その過程にあった留学先に向かう航路における体験はこれまで注目されてこなかった。その数ヶ月にわたる船旅では船上や寄港地での異文化体験、新たな知の獲得、世界観の再編などがあり、彼女達の多くがそれらの体験を日記や回想に書き残している。本研究では、彼女達の航路体験記を史料として、未だ知られていない戦前期日本人女子留学生の航路体験の実態を明らかにし、グローバルな移動空間である航路における体験の教育的機能とその意義について歴史的に検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、同志社女子大学とお茶の水女子大学において、戦前期の日本人女子留学生の航路体験に関する資料を調査・収集した。 同志社女子大学では、明治期の園芸家である中目たき資料を調査・収集した。その後、中目の航路体験について、概要(日程、目的、船、航路など)、船上生活の実態 (衣食住、読書、娯楽など)、異文化との出会いと学び (異文化や外国人、階層の異なる人々、異なる時代認識との接触など)などの視点から分析を行った。その成果は、『アジア・ジェンダー文化学研究』第8号(2024年3月発行、奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センター)に資料紹介として発表し、戦前期の日本人女子留学生の航路体験の実態を知る意義について言及した。 お茶の水女子大学には、湯浅年子、安井てつ、二階堂トクヨなど複数の戦前期の日本人女子留学生に関する資料が所蔵されている。2023年度は2回にわたり、湯浅年子の航路体験に関する資料の調査・収集を行い、湯浅のパスポート、事務書類、スケッチ、回想録、書簡等、多くの様々な資料を収集することができた。現在、これらの資料の整理と分析を行なっている。 また、お茶の水女子大学では、歴史資料館担当者より湯浅年子以外の戦前期の日本人女子留学生や生徒の大陸旅行における航路体験に関する資料について情報を得ることができた。今後、それらの資料調査・収集を行い、考察を行う予定である。さらに、2025年度に予定している戦前期の日本人女子留学生の航路体験に関する資料展示について、お茶の水女子大学で実施する方向で打ち合わせを行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、同志社女子大学とお茶の水女子大学において、戦前期の日本人女子留学生の航路体験に関する資料を調査し、多くの資料を収集することができた。特に、同志社女子大学で収集した中目たき資料については、『アジア・ジェンダー文化学研究』第8号(2024年3月発行、奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センター)に資料紹介として発表することができた。これについては、当初の計画より進展しているといえる。 お茶の水女子大学で収集した湯浅年子の航路体験に関する資料は、分量が多く、多種多様であるため、その整理と分析に時間を要しているが、2024年度中には一つの成果としてまとめる目処はついている。また、湯浅年子以外の戦前期の日本人女子留学生や生徒の大陸旅行における航路体験に関する資料について情報を得ることができたため、2024年度の資料調査・収集の方針がより明確となった。さらに、2025年度に予定している航路体験に関する資料の展示についても、実施の目処をつけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、前年度にお茶の水女子大学で収集した湯浅年子の航路体験に関する資料を分析を行い、学会等で発表する。並行して、お茶の水女子大学所蔵の湯浅年子以外の戦前期日本人女子留学生(安井てつ、二階堂トクヨなど)に関する資料調査・収集を行い、整理・分析する。さらに、その結果により、彼女たちの旧所属先である東京女子大学などで、資料調査・収集を行う予定である。 2025年度に予定している戦前期の日本人女子留学生の航路体験に関する資料展示については、お茶の水女子大学歴史資料館の担当者と打ち合わせを進め、次年度の実施に向けて準備を行う。
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