Project/Area Number |
23K12748
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Nayoro City University |
Principal Investigator |
及川 智博 名寄市立大学, 保健福祉学部, 講師 (50879450)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 保育者 / 幼児 / 保育 / 専門性 / 実践知 / 失敗 / 物語 |
Outline of Research at the Start |
人にかかわる専門家の多くは,対象となる相手を適切に支援することができる存在として理解される。一方,子どもにかかわる保育者は,経験歴の長短や有している力量によらず,ときに援助を「失敗」する存在である。なぜなら保育は,幼児たちと共に日々の楽しみを探し,そして織りなしていく,大人側による完全な予測が困難な共同生活としての側面を有するからである。この実践論理をふまえて,幼児たちへの援助の「失敗」それ自体を織り込んだ保育者の専門性をモデル化することが,本研究の目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
保育者の専門性に関する研究は, 経験を積み重ねるにつれて,次第に幼児たちの心情や保育の場面状況を適切に理解した上で,妥当な働きかけを選択・実行できるようになるという, 有能化していく保育者像をひとつの言説としてゆるやかに構築してきた。しかし,子どもにかかわる保育者は,それまで蓄積してきた経験や力量の程度によらず,ときに子どもに対する援助を「失敗」する専門職である。なぜなら保育は,幼児たちと共に日々をつむいでいく,大人側による完全な予測が困難な,共同生活としての側面を有するからである。この実践論理をふまえて,援助の「失敗」それ自体を織り込んだ保育者の専門性を詳らかにすることが,当該研究課題の目的である。 2023年度は,主に文献研究および理論的視座の整備に努めた。特に後者の理論的視座の整備については,子どもと保育者とが織りなす保育のあり様と,援助の「失敗」との関係性をより具体的に把握すべく,政治哲学者H.Arendtによる行為論との接続を図った。その成果として,保育者を,完全な予測が困難な暮らしのなかで,子どもたちと出会った出来事を共有し,それをもとに子どもたちと共に新たな物語を紡いでいく存在として定位することが,援助の「失敗」を必然的な事象としてとらえるために重要な視座であることを確認した。以上の理論的視座の整備にかかわる研究成果の発信を行った。その他,フィールドにおける調査研究をめぐる方法論の再検討に関する研究成果の発信も並行して実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は調査の実施へ向けた,先行研究の再整理,および更なる理論的視座の整備に時間を要したことから,調査研究を実施することが叶わなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度より研究機関を異動し,当初検討していた調査計画の見直しが必要となった。当該研究課題における目的の達成へ向けて,調査の進行,および研究に協力していただける新たなフィールドの開拓を通して研究を前進させていく。
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