ノルウェーの幼児教育における「参加する権利」の理論と実践-男女平等の視点から-
Project/Area Number |
23K12753
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
松田 こずえ 武蔵野大学, 教育学部, 講師 (70884047)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 参加の権利 / 意見表明権 / ノルウェーの幼児教育 / 男女平等教育 / 幼児のICT活用 |
Outline of Research at the Start |
ノルウェーでは男女平等や多様性が尊重される公平な社会を目指す変革の過程で幼児教育への着目があり、子どもや保護者、保育者が公平な社会に向けた意識を持つようになるための政策上の取り組みがあった。さらに、大人と同様に子どもの意見表明権が保障され、子どもの述べた意見が年齢に応じて社会に反映される仕組みがある。本研究では、ノルウェーの保育施設における子ども、保護者、保育者それぞれの「参加する権利」をめぐる理論と実践について、関連文献および保育施設のフィールドワーク、保護者および保育者へのインタビューの調査結果を用いて検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ノルウェーの幼児教育における子ども、保護者、保育者の「参加する権利」をめぐる理論と実践について明らかにすることである。ノルウェーの幼児教育では、「参加」は子どもたちが自己決定を行うことができる責任ある市民となるよう教育するために不可欠とされている。これは男女平等で多様性を尊重する公平な社会の実現と関連性があると考えられ、幼児期からの「参加」を重視した教育についての検討が必要である。 ノルウェーの幼児教育における公平な社会実現に向けた「参加する権利」について検討するため、本研究では文献調査、フィールドワーク(観察)、インタビュー調査のつ3の研究方法を用いることとする。 1年目である令和5年度は、研究1である 子どもに関する調査として:「参加する権利」や意見表明権の取り扱いの理論と実践について研究を進めた。 ノルウェーからの幼児教育研究者であるKari Emilsen氏を日本の大学に招き、シンポジウムおよび国際交流を実施した。また国際学会(ヨーロッパ幼児教育学会:ポルトガルにて)に参加し、ジェンダー平等部会での研究発表や研究交流を実施した。さらに、ノルウェーを訪問し、3カ所の幼児教育施設を視察、および保育者へのインタビューを実施した。インタビューでは、保育者に(1)年齢に応じた子どもの意見表明権を保障する方法、(2)子どもの「参加」する機会の設定方法、(3)子どもの意見表明権を保障する効果や困難についての項目等についての聞き取りを実施し、データを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は、研究1年目に計画していた研究1の「子ども」に関する調査を進めた。 4月~10月には、「参加する権利」や意見表明権の取り扱いの理論と実践について、①自然遊び、保育環境、保育内容、保育形態、保育のデイリープログラム等と「参加」に関する文献資料の収集と分析を行い、日本との比較分析を行った。さらに、ノルウェーの幼児教育研究者を日本に招き、シンポジウム開催や共同研究に向けての討議などの研究交流を実施した。 11月~3月は、②2月のノルウェーの複数のタイプの保育施設の実地調査、観察フィールドワーク、③子どもの「参加する権利」に関して保育者への半構造化インタビュー(5名)を実施した。 研究1の成果発表として、文献調査によって明らかになったことの学会発表や、国際学会(ポルトガル)でのジェンダー部会での研究発表および研究交流、『ノルウェーの幼児教育に関するジェンダー平等と公平性』(明石書店)の単著書籍出版に向けての執筆作業を進めるなど、おおむね順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、研究2年目に予定されている研究2 保護者に関する調査を行う計画である。保護者の保育への「参加する権利」や意見表明権の実際について調査するため、①保護者が保育に参画する仕組み(『親の会』)に 関する文献資料収集と分析と日本との比較、②ノルウェーの保育施設の実地調査、観察フィールドワーク(保護者会の観察)、 ③保護者や子どもの「参加する権利」に関して保護者への半構造化インタビュー(3名)を行う。 令和7年度は、研究3 保育者に関する調査(3年目):保育者間の保育内容への意見表明権や「参加する」権利①保育者の相互の意見の表明に関する文献資料収集と分析、日本との比較 ②ノルウェーの保育施設での実地調査、観察フィールドワーク③保育者への半構造化インタビュー(5名)を実施する計画である。 これら研究1 ~3を通して、子ども、および保護者や保育者の意見表明権が保障される仕組みの理論と実践について観察・分析・考察を行い、相互の影響を明らかにする予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)