Project/Area Number |
23K12765
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
村井 大介 静岡大学, 教育学部, 准教授 (80779645)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2027: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 社会問題 / 教師 / ライフストーリー / 専門家 / 自律 / 概念分析 / エンパシー / バルネラブル / 授業 / パレーシア |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、教師と他の専門家のライフストーリーを対比することを通して、どのようにすれば教師が授業で社会問題を取り上げることができるようになるかを、資質・能力の形成過程の面と、真理を語る困難さといった社会的要因の面から明らかにすることである。 対象とする社会問題は、SDGsに関するテーマから選定し、特に人権教育に関連する人権問題、キャリア教育に関連する労働問題、環境教育に関連する環境問題に着目する。 本研究の1~3年目は教師及び社会問題の解決に取り組む専門家へインタビュー調査を実施し、4年目は調査結果を分析するとともに教員養成課程での応用可能性を考え、5年目は研究成果をまとめ公表する予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、教師と他の専門家のライフストーリーを対比することを通して、どのようにすれば教師が授業で社会問題を取り上げることができるようになるかを、資質・能力の形成過程の面と、真理を語る困難さといった社会的要因の面から明らかにすることである。 研究の初年度である令和5年度は、調査の実施にむけた準備を進めるとともに、調査の基盤となる教師の自律性に関する理論的な研究を進めた。また、研究の応用的な側面として、大学の教員養成課程の授業で、社会問題を取り上げることにつながる二つの実践を試み、その成果と課題を明らかにした。 調査については、所属機関に研究倫理の承諾を得るなど、調査を実施する準備を進めたが、調査の実施には至らなかった。 理論的な研究として、教師の専門職としての自律性に研究が如何に寄与し得るのかを検討した。ライフストーリー研究の意義と可能性を明らかにするとともに、概念分析の社会学の研究成果に着目し、様々な「概念」が教職に影響を与えている状況を分析した。この研究成果については、全国社会科教育学会の大会において口頭で発表した。 研究の応用的な側面として、大学の教員養成課程の授業で、社会問題を取り上げることにつながる二つの実践を行った。一つ目は、他者の空間の経験に共感しながら地域社会の課題を提起する実践であり、他者の経験に共感するエンパシーが重要になることを明らかにした。二つ目は、身近な社会的な疑問を探究し動画を作成する実践であり、他者とつながるためにバルネラブルな状況に身をおくことが重要になることを明らかにした。以上の研究成果は、著書や論文にまとめて公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、理論的な考察による研究、インタビュー調査による研究、大学での授業実践の構想と検証による研究の三つを方法にしながら行っている。研究の1年目は、調査による研究は当初の計画よりも遅れがみられたが、理論的な研究と実践的な研究は当初の計画よりも大幅に進展した。 理論的な研究については、教師の自律性について検討することができ、調査を深めることにもつながる理論的な枠組みについて考察を深めることができた。 調査活動については、所属機関の研究倫理委員会の承諾を得るなど、調査を実施できる準備を整えることはできたが、実際に調査を実施するまでには至らなかった。 実践的な研究については、大学の教員養成の授業への応用的な知見を深めることができた。具体的には、理論的な仮説をもとに、社会問題を取り上げることにもつながる実践を二つ行い、その成果と課題を分析した。また、これらの研究成果を、著書や論文で公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、当初の計画の通り、研究2年目は、人権問題もしくは労働問題など、社会問題に向き合ってきた教師及び教職以外の専門家へのインタビュー調査を実施する。 1年目に実施した理論的な研究では、概念分析の社会学の研究成果に着目し、社会で提唱された概念が教師の専門性に与える影響について検討した。この視点を今後の研究でも活かして、どのようにすれば社会問題を取り上げることができるようになるのかを、資質・能力の形成過程の面と、真理を語る困難さといった社会的要因の面から分析する際に、社会で構築されてきた概念との関係からも考察することを目指す。 実践的な研究についても継続して実施し、大学の教員養成課程の授業への応用可能性について検討し続ける。 1年目の理論的な研究の成果をはじめ、研究の成果は、適宜、学会での口頭発表や論文等にまとめて公表する。
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