Project/Area Number |
23K12768
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
樫下 達也 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (10804122)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2027: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 音楽教育 / 教員史 / 音楽教師 / 群像 / 教育雑誌 / 教師群像 / 音楽教育史 / 教育史 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、日本の近代以降の音楽教師たちが、自分たちの仕事である「音楽を教えること」の意義について、どんな価値を見出し、それをどのように共有しながら同時代の音楽教育思想を練り上げてきたのかを明らかにする。これまでの音楽教育史研究では、個別の音楽教師の思想と実践を丹念に明らかにしてきた。これに対して本研究では「群像としての音楽教師」に着目する。各時代の教育研究会や座談会などを主な史資料とすることで、教師たちが集団として何を音楽教育の課題とし、あるいは存在意義としたのか、それらをどのように共有し、議論を深め、同時代の現場レベルの思想を練り上げてきたのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本の近代以降の各時代の音楽教師たちが、自分たちの仕事の中心である「音楽を教えること」の意義について、いかなる認識をもち、それをどのように共有しながら同時代の現場レベルでの音楽教育思想を練り上げてきたのかを明らかにすることであった。 第1年目の2023年度は、戦前の雑誌『学校音楽』主催による全国音楽教員座談会(全22回分)における議論をテキストマイニングと呼ばれる研究手法により分析するべく、同座談会の記録記事をデータ化する作業を進め、22回分全ての記事のデータ化を完了した。これによって、KHcoderと呼ばれるソフトによる分析が可能となった。これらのデータのうち、第1回から第7回を対象として試験的に分析を試みた結果、座談会記録をKHcoderによって分析し、テキストマイニングによる考察を行うことは意義あることであるとの結論を得た。すなわち、音楽教師たちの座談会での発話における語の数量的な特徴や、語と語の関係性を分析していくと、当時の音楽教育の制度的側面や社会状況を映し出すような傾向が明瞭に把握できたのである。 この第1回から第7回にかけての試論的な考察の結果は、2023年10月14日に日本音楽教育学会第54回大会において「近現代日本音楽教師群像の研究:1930年代の雑誌『学校音楽』掲載「学校音楽座談会記録」の分析から」というタイトルで口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来の研究計画では第2期に行う予定であった「音楽教員座談会(全22回分)」の分析に着手を第1期目に行った。これは、この研究対象の資料の整理がすでに済んでいたことが理由である。第1期に取り組む予定であった「東京高等師範学校附属小学校初等教育研究会主催全国訓導協議会」の分析は後回しになったが、着手する順番を入れ替えただけなので、研究全体の進捗には大きな影響は与えない。したがって、本研究は現時点(第1年目終了時点)においては「おおむね順調に進展している」ものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は現在分析中の全国音楽教員座談会(全22回)の考察をさらに進める。具体的には、残された第8回から第22回のデータについて、KHcoderでの分析を進める。第1回から第22回までの全体を対象とした分析が進めば、時代ごと、地域ごと、または発言者ごとに会話や発言内容の特徴を掴むことが可能になる。さまざまな角度から座談会記録の分析を進めていくことによって、戦前期の音楽教師たちがどのような問題意識を持ちながら、音楽教育の実践に取り組んでいたのかが把握できることが期待される。 さらに、「東京高等師範学校附属小学校初等教育研究会主催全国訓導協議会」の分析、各種音楽教育研究大会の分析も進めていくことで、明治期から戦後改革期にかけての音楽教師たちが集団として、何を音楽教育の課題とし、あるいは存在意義としたのか、それらをどのように共有し、議論を深め、同時代の現場レベルの思想を練り上げてきたのかを明らかにしていきたい。
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