Project/Area Number |
23K12812
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
村尾 愛美 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (80792415)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 特異的言語発達障害 / 知的障害 / 複文 / 指標 |
Outline of Research at the Start |
欧米では、特異的言語発達障害 (specific language impairment: SLI) 児と知的障害児との言語特徴を比較する検討が盛んに行われている。その一つに、複文に視点を当てたものがある。しかし、SLI児の言語特徴と知的障害児の特徴の違いの有無については一致した見解が得られていない。本研究では、SLI児と知的障害児を対象として、複文に視点を当てた発話の分析及び言語課題を実施し、両者の共通点と相違点を明らかにすることを目的とする。このことによって、複文の特徴が、特に多語文期の言語発達遅滞の指標として有効かどうかに関する基礎的な知見を提供することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
欧米では特異的言語発達障害 (specific language impairment: 以下SLI) 児と知的障害児との言語特徴を比較する検討が活発に行われている。そのうちの一つに,複文に視点を当てたものがあるが,わが国では,複文に視点を当てて,両者を直接比較したものは申請者の知る限りない。本研究では,SLI児と知的障害児を対象として,複文に視点を当てた言語課題を実施し,SLI児と知的障害児の複文の産出における共通点と相違点を明らかにすることを目的とする。このことによって,複文の特徴が,特に多語文期の言語発達遅滞の指標として有効かどうかに関する基礎的な知見を提供することを目指す。 本研究は,SLI児,知的障害児,定型発達児を対象とした実験的検討を,3年計画で行う。1年目から2年目にかけて,【研究1:単文と複文の比較】を行う。この検討では,主に発話産出課題を実施する。2年目から3年目にかけて,【研究2:並列節と従属節の比較】,【研究3:補足節,副詞節,連体節の比較】を行う。【研究2】では絵画選択法を用いた文理解課題を行い,【研究3】では複文を生成する文産出課題を行う。最後に【研究1】から【研究3】のまとめを行い,言語発達遅滞の指標として複文が有効であるかについて考察する。 令和5年度は,【研究1】の発話産出課題の検討および対象児1名を対象とした予備的検討を中心に行った。発話産出課題を作成するために,言語発達の遅れを主訴として通級指導教室に通う児童1名を対象に,4コマ漫画説明課題を行った結果,複文を検討する上では,4コマ以上の連続絵説明課題が適当である可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は,令和5年度から令和6年度にかけて,【研究1:単文と複文の比較】を行い,令和6年度から令和7年度にかけて【研究2:並列節と従属節の比較】,【研究3:補足節,副詞節,連体節の比較】,最後に,研究1~3の結果をまとめ,複文の指標としての有効性について述べる予定である。 令和5年度は,【研究1】の発話産出課題の作成のために,研究対象児1名に4コマ漫画説明課題を予備的に行った。その結果,複文を検討する上では,当初予定していた4コマ漫画説明課題では発話量,ターゲットとなる文構造が十分に得られず,4コマ以上の連続絵説明課題が適当である可能性が考えられた。したがって,発話産出課題の再検討を行う必要が生じた。そのため,現在,定型発達幼児,SLI児,知的障害児を対象としたナラティブ研究の知見を参考に,発話産出課題を作成している。また,令和5年度は,対象児の確保,特にSLI児の確保が順調に進まなかった。 以上より,本研究はやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として,【研究1:単文と複文の比較】と【研究2:並列節と従属節の比較】を継時的に実施するのではなく,同時的に実施する。具体的には,令和6年度の前半に,【研究1】のために連続絵説明課題および【研究2】の絵画選択法を用いた文理解課題を作成し,これらの2課題と絵画語い発達検査(PVT-R)をSLI児,知的障害児,定型発達児に行う。なお,連続絵説明課題の作成においては,ナラティブ研究の知見(Finestack, Palmer, & Abbeduto, 2012; 小坂, 2016; Wetherell, Botting, & Conti-Ramsden, 2007)を参考にする。次いで,令和6年度の後半では,【研究3:補足節,副詞節,連体節の比較】で実施する文産出課題を作成し,予備的検討を行う。 なお,対象児について,令和6年度は言語障害通級指導教室で研究協力に係る文書の掲示および配布をいただく予定であるが,その協力をいただく学校数を増やす予定である。このことによって,研究対象児を一定数確保できる見込みである。
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