“かわいい”を用いた自閉スペクトラム症者支援に関する検討
Project/Area Number |
23K12817
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大野 愛哉 佐賀大学, 教育学部, 助教 (60971728)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / コミュニケーション支援 / かわいい |
Outline of Research at the Start |
自閉スペクトラム症(以下,ASD)者に対するコミュニケーション支援における問題点として,ASD者の注意集中の困難さ,コミュニケーションへの動機づけの低さ,人への関心の低さといった障害特性により,しばしば期待されるような効果が得られないことが挙げられる。そこで本研究では,ASD者の注意や動機付け,関心を引き出すものとして“かわいい”に着目し,ASD者へのコミュニケーション支援に“かわいい”特徴をもつものを使用することの有用性について明らかにすることを目的とし,“かわいい”がASD者の①社会的動機付け,②視線,③表情,④相互交流,⑤周囲の他者に与える影響について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症(以下,ASD)者に対するコミュニケーション支援として,応用行動分析やSocial Skills Training(以下,SST) 等が行われている。しかしながら,実際にこれらの支援を教育現場で用いるにあたっては,ASD者の注意集中の困難さ,コミュニケーションへの動機づけの低さ,人への関心の低さといった障害特性により,しばしば期待されるような効果が得られないという課題がある。そこで本研究では,ASD者の注意や動機付け,関心を引き出すものとして“かわいい”ものに着目し,ASD者へのコミュニケーション支援に“かわいい”特徴をもつものを使用することの有用性について検討することを目的とした。具体的には“かわいい”ものがASD者のコミュニケーションに関連する①社会的動機付け,②相互交流,③視線,④表情,⑤周囲の他者に与える影響について検討し,かわいいものを用いたASD者へのコミュニケーション支援プログラムの開発を目指す。 今年度は研究協力者募集のための各機関との連携および①,②を検討するための非ASD者を対象とした予備実験を行った。前者については特別支援学校,県立高等学校において,心理支援を行い,学校内で本プログラムを行うことに向けた準備を行った。その際に,特別支援学校や高等学校での心理支援における現場の課題に関しても調査を行った。後者については,はじめに予備調査として,対象となる高校生が“かわいい”と感じる対象の調査を行った。その上で予備実験として非ASDの高校生3名を対象とし,SST,ピアサポートプログラム(基礎編)を組み合わせたプログラムに“かわいい”ものを導入したコミュニケーション支援プログラムを実施した。その結果,プログラム実施前後で6領域学校適応感尺度(ASSESS:Adaptation Scale for School. Environments on Six Spheres;石井ら,2009)の生活満足度,向社会的スキルの得点の上昇が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ASD者に対する“かわいい”ものを用いたコミュニケーション支援プログラムの開発にあたり,実際のプロクラムの内容の検討し,非ASD者を対象とした予備実験を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
非ASD者を対象とした予備実験の結果,生徒により意欲的にプログラムに参加してもらうためには,視覚的なツールの活用や,ウォーミングアッププログラムの工夫が必要であるといった課題が得られた。そのため,次年度に向けプログラムの修正を行った。今後は,今年度連携を行った学校において,ASD者を含む高校生集団にプログラムを実施し,介入前後の学校適応感およびコミュニケーションに対する意欲について検討を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)