Project/Area Number |
23K12822
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川本 弥希 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 研究員 (80832427)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 学習経験 / 看護教育 / コミュニケーション / 教育実習 / ベネフィット / 便益遅延性 / 高等教育 / 授業品質 / 満足度 / 学習意欲 |
Outline of Research at the Start |
高等教育に在籍する学習者が学習活動を継続する中で、過去に受講した授業内容の学習価値や有効性に一定期間経過後に気が付くという事象が発生する。この遅延する便益感に関係する要因を把握することによって、授業品質をより正確に測定することは授業品質の把握と改善のために重要であると考えられる。本研究では、教育現場では便益遅延が発生しやすいということを考慮し、新たな授業品質の定量的評価手法の開発を行って、学生の満足度要因や学習心理をより正確に測定することを目的とする。大学生を2~3年追跡調査することにより研究を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高等教育において、学生が受講した科目に関して実感していないベネフィットが遅延して享受される現象を定量的に測定するための尺度を作成することである。それにより、遅延ベネフィットが学生の満足度要因や学習心理に与える影響を明らかにすることができると考えられる。つまり、即時的な授業評価だけではなく、遅延しているベネフィットの測定を考慮した長期的な授業評価を行うことで、授業評価をより正確に把握できる可能性が考えられる。 2023年度の研究計画では、先行研究の調査や定量データ取得のための準備とデータ収集を行う予定であった。しかし、教育実習生からのデータ収集が計画通りに行かずに、以前に看護学実習生から取得した定量データを用いて研究を進めた。看護学実習を受講した90名の学生から収集した定量データから、学習経験と遅延ベネフィットを定量的に測定するための尺度の作成を試みた。その結果、看護学実習による学習経験の取得により遅延しているベネフィットが享受される現象を定量的に把握できることが示唆された。この研究成果は日本教育工学会の2024年春季国内大会において発表している。今後は、遅延便益の評価尺度作成の分析手順を精査し、分析対象者をさらに90名増やした内容で同様の検証を行う予定である。 また、教育実習を受講した学生の過去に受講した科目の授業評価の変化に関する定性データを用いて、学習経験レベルと遅延ベネフィット享受の関係を明らかにした論文を教育学系の論文誌に投稿し、現在は査読中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
取得予定であった教育実習を受講した学生の授業評価の変化に関する定量データの取得に遅れが発生している。そこで、以前に取得したデータの一部を分析し、国内、国外の学会において発表を行った。既存のデータを活用しつつ、新規の定量データの取得を今後実施していく予定である。以上より、初年度の計画においてはやや遅れていると考えられるが、代替的に既存のデータを活用することによりプロジェクトはおおむね進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
大学生の教育実習における学習経験、遅延便益について調査する予定であったが、定量データ取得が遅れているために、以前に取得した看護学実習を受講した学生の定量データを用いて研究を進める予定である。当初の研究目的を達成するためには、当面はすでに取得したデータの分析をさらに進めて、研究成果を出せれば、外部で発表する準備を継続して行っていく。この場合、評価対象が教育実習生から看護学実習生となるが、研究目的を達成することにおいて、看護学実習生は評価対象として問題はないと考えている。
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