Project/Area Number |
23K12823
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
都野 さやか 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (90964213)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 歯科臨床技能教育 / モーションキャプチャ / 印象採得 |
Outline of Research at the Start |
技能の修得にはそれ相応の時間を必要とし、スキルだけではなく使用する器材を適切に扱うことが含まれる。医療職も決して例外ではなく、多様な器材を用いて治療を行う歯科医師に求められる技能には、道具をうまく扱うことを含む技術職的な側面があると考えられる。しかし、それらは自ら経験を重ねることによってはじめて会得できることが多く、経験を代替することができる効率的で革新的な歯科治療技能教育方法の開発が待望されている。本研究はこの点に着目し、モーションキャプチャシステムを利用して、器材を扱う際の暗黙知(=Tacit Manners)を明示することが、この課題の解決策となることを期待して実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、歯科診療技能習得において、言葉で表現することや図示することが難しい要素、つまり暗黙知の獲得が要になっていることに着目し、これを客観的データへ置換することで歯科診療技能教育における課題解決に貢献することを目的としている。本年度は、印象採得(被せものを製作するために、専用のシリンジと材料を用いて歯形を採る処置)における器具操作を客観的データへと置換すること、さらにその結果を熟練者と学修者で比較することによって、印象採得の成否に影響を及ぼしうる暗黙知を調査することを目的とした。 熟練者として一定年数以上の経験を持つ歯科医師を、学修者として歯学部学生を対象とし、専用のシリンジとシリコン製の材料を用いた印象採得動作をモーションキャプチャシステムVICONで測定した。実験にあたっては、シリンジの角度やシリコン製材料の抽出量、動作に要した時間等の印象採得の成否に影響を及ぼす可能性のあるパラメータを事前にピックアップした。これらのパラメータを客観的データで表現し、熟練者と学修者のシリンジ操作の特徴の抽出を試みた。 印象採得においては、硬化したシリコン製材料に石こう等の模型用材料を流し込んで被せものを製作するため、断裂や欠損がないことが精密な処置に求められる。学修者では、断裂や欠損がみられた被験者が複数見られた一方で、熟練者にはそれが認められず、印象採得の精度が明らかに高いことが明らかになった。加えて、熟練者と学修者のシリンジ動作では、複数のパラメータで統計学的に有意な差が認められ、これらの要素が印象採得の成否に影響を及ぼすことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通り、印象採得動作の計測実験を実施し、データを収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、得られた客観的データの詳細な解析を進め、印象採得の成否に影響を及ぼしうる要素のうち、影響が大きくかつ教育に還元しやすいものを精選し、それらを用いた教育資料の作成を模索する。そのために術者目線で作成した教育ビデオの作成や、タブレットPCを用いて熟練者のシリンジ操作を体験できるような教育システムの作成に着手する。また、現在までの研究成果を元にした論文執筆や学会発表も並行して継続する。
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