Project/Area Number |
23K12832
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
山田 徹志 玉川大学, 教育学部, 講師 (50784154)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 学びに向かう力 / 学びのダイナミクス / AI / ICT活用 / 教育映像分析 / 子ども |
Outline of Research at the Start |
本研究は,授業中の子どもの関心状態とそれに伴う教員の働きかけを定量的に計測することで,「学びのダイナミクス」(授業中の子どもと教師の相互作用より生じる力動)のモデル化・可視化を目指す.具体的には画像認識AIを日々の授業場面の記録映像に適応し,子どもの心的状態である「関心」に伴う行動特徴(位置・向き)とそれに対する教員の働きかけの関係を教育活動の遷移から評価することを試みる.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究では,以前より取得していた教育映像(小学校・中学校の授業場面)に対して顔認識AIを適用し,集団の子どもの顔情報を抽出した.その後,教育映像(一斉型授業,グループワーク)中の児童生徒の視線情報のバラつきの時間遷移データ対して機械学習手法を適用し自動分類を実施した.結果,授業中の児童生徒の顔データについては,その検出状態を分析することで,参加している授業の場面推定ができることを示す結果を得た.さらに,教師が主導で授業を進行する場面,児童生徒が個別に課題などに取り組む場面,児童生徒が協働で学習を進める場面という授業場面を分類する上で顔検出データの時間変化の分布と人によるアノテーション結果(授業場面の時間ごとの分類記述)とが一致することも示された. ここまでの結果を受け,同分析手法を幼小接続期(保育園・認定こども園)の子ども(年長児)の教育映像へ適応した.今年度は2つの就学前保育・教育施設での検証を実施した.本検証では小学校低学年時における一斉授業場面に類似する絵本の読み聞かせ場面を設定した.そして,既存の顔検出AI(openfaceをチューニングし使用)を用いて子どもの顔情報から視線情報を抽出した.これにより絵本読み聞かせ活動に参加する集団の子どもすべての活動参加中の視線情報の取得に至った.その後,集団の子どもの視線情報の時間遷移のバラつき計算した.結果,人(教師)の読み聞かせ時と,デジタル教材視聴時ごとの集団の視線のばらつきが人(教師)による読み聞かせ時において視線のバラつきが大きくなる箇所と小さくなる箇所には一定の特徴がある(パターン)ことを確認した 以上の成果は,日本教育工学会などの学会にて発表した(2023年度学会発表件数:4件).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度の実績より研究進捗の遅れが生じている理由には以下の点がある. (1)幼児教育期の子どもたちの視線データへの機械学習手法を用いた自動分類の実施に至っていない.(2)取得した教育活動データ(保育園・認定こども園)のアノテーションの実施に至っていない. 上記の点については,2023年度研究より取得したデータへの適応を図ることで,研究を適切に進めることができると考える.今年度は,幼少接続期の子どもたちの一斉活動場面時において集団の子どものおよび教師の視線検出を行える計測条件の同定と計測環境を構築した.そして集団の子ど至って線分析手法(全体の視線抽出後,視線向きのバラつきの計算を行うプログラム)の開発している. ここまでの研究進捗状況踏まえ,先の(1)については,開発したプログラムにより既に取得している集団における子ども個々の視線データに対するパターン分類を実施することで,学びのダイナミクスの可視化に繋がる特徴的なデータ分布の発見が期待できる.(2)については,取得済みデータに対してアノテーションを実施することで,視線データの特定パターンの教育実践的側面からの評価できると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究進捗を受け,本研究の今後の課題は以下のようにまとめられる. (1)視線パターンの分類の実施と評価結果の検討:複数台(教師側・子ども側)のカメラにて検出されている人物の視線のバラつきのパターン分類の実施を要す. (2)視線のバラつきのパターン分類手法の確立:ダイナミクスの可視化のための最適な機械学習手法の検討,およびパラメータに関する検討する必要がある. (3)場面分類場面の増加に伴う適用範囲の検討:2023年度では既存取得データ(小中学校の授業)の内1つ授業と就学前教育期の年長児2クラスに対してのみの分析に留まる.そのため,複数の就学前教育期の子どもや小学校低学年の児童に向けた検証を実施し,他の教育映像データへの分析を適用を要す. (4)教育映像のアノテーションの実施:2023年度では,就学前教育期の子どもの定量データを取得できたが,分析結果の解釈のための定性データの取得には至らなかった.そのため,取得データおよび(3)により新たに取得,分析されるデータに対するアノテーションを実施する必要がある. 以上の課題を解決しながら研究を推進していきたい.
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