Project/Area Number |
23K12845
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井出 和希 大阪大学, 感染症総合教育研究拠点, 特任准教授(常勤) (60796275)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 学術出版 / 学術情報流通 / オープンアクセス / 出版動向 / 研究(者)倫理 / 研究公正 / ELSI/RRI / 対話 / 研究倫理 |
Outline of Research at the Start |
学術論文は、研究成果を伝えるメディアとして中核的な役割を担っている。インターネット技術の発展と共に多様化し、オンライン化が進んだ。加えて、未査読論文プレプリントが台頭し、掲載料収入を主とした自己の利益を優先する粗悪な「Predatory Journal」問題も顕在化した。本研究では、多様化する学術出版の動向を可視化すると共に、一般市民や研究者が「学術出版」に対して抱く認識を調査する。併せて、分野を超えた対話の場を通して、学術出版の意味や社会における役割を問い直す。論文数やインパクト指標が目的化しがちな昨今の学術研究環境を、定量・定性的な分析結果から省みることで、具体的な議論に繋げる。
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Outline of Annual Research Achievements |
学術出版の動向を定量・定性の両側面から把握すべく取り組みを進めた。具体的には、1)粗悪な学術誌・学術集会(Predatory Journals & Conferences)の特性を国際的な動向を踏まえて認識・理解するための書籍や資材の制作・公開、2)生成AIの位置付けの整理、3)プレプリントの公開動向を分析するためのデータ収集を行った。1)は、国内外140以上の科学アカデミー等が加盟するInterAcademy Partnership(IAP)と連携した取り組みとして展開し、『粗悪な学術誌・学術集会を拡げないために(増補版)』として出版した。それだけでなく、学術論文の投稿先選定において参考となるThink. Check. Submit.の日本語版『論文投稿先検討のためのチェックリスト(2023年6月版)』についても作成し、機関リポジトリを介して公開・頒布した。併せて、学術誌の質(よしあし)を二値的に判断することの危うさを既存のデータベース、ウォッチリストの特徴から指摘した論考を執筆した。これらを通して、多様なコミュニティへのリーチを図った。2)は、オーサーシップについてInternational Committee of Medical Journal Editors(ICMJE)の基準を参考に比較・考察したことに加え、より広い視野で(主に倫理的・社会的観点から)生成AIが社会に及ぼす影響を分析した。3)は、科学技術振興機構(JST)が2022年3月に運用を開始した本邦のプレプリントサーバであるJxivを対象とした。収集したデータは、プレプリントの公開動向を経時的に把握する上で役立つ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示した通り、多面的に進捗している。成果は、学術論文、論考や学会発表に留まらず書籍や資材として公開することで、社会還元も図っている。得られた情報、データの分析も進めつつある。これらを踏まえ、「(2)おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果を踏まえ、二値的な判断に拠らずリスクベーストに学術誌の質を考えるための資材を開発する。加えて、取得したデータの分析を継続することで、当該課題における取り組みを推進・深化させる。
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