Analysis and Verification of Translation Methods for the Purpose of Acquiring Scientific Literacy in Translated Scientific Books in the Early Meiji Period
Project/Area Number |
23K12849
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
アミール 偉 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30968186)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 科学翻訳 / 福澤諭吉 / 『訓蒙窮理図解』 / 台湾 / 科学リテラシー / 明治時代初期 / 科学教育 / 科学コミュニケーション |
Outline of Research at the Start |
本研究では、福澤諭吉によって出版された翻訳科学書『訓蒙窮理図解』(1868)と同時期の、子どもを含む一般大衆向けの翻訳科学書における、科学リテラシー定着に向けた翻訳手法の特徴・傾向等について明らかにする。 具体的には、我が国で出版された翻訳科学書とその原書の文章・図表・挿絵等を比較し、翻訳科学書において原書と異なる箇所(「シフト」または「ずれ」)をまとめ、特徴・傾向を整理する。 そのうえで、現代の我々に必要な科学リテラシー(例:放射線、ワクチンなど)の定着へ向けて、得られた翻訳分析の結果を活用し、科学的な情報の発信・科学教育・科学コミュニケーション等への実現・応用可能性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
1年目は、研究計画のベースとなる福澤諭吉訳の『訓蒙窮理図解』に関して、以前に公開した論文をまとめ、英語書籍の1章の半分を執筆した。加えて、1895年に開始した我が国による台湾統治後に、現地で使用された『訓蒙窮理図解』の台湾語版に関し、日本語(福澤の翻訳)と台湾語との間での「言語間翻訳」の分析、および両書籍における挿絵の比較(記号感翻訳)の分析を行った。 上記の翻訳分析から明らかになった結果として、以下の2つが挙げられる。 (1)1868年に我が国で発刊された『訓蒙窮理図解』では、原書の英語からの翻訳に加えて、「福澤の私見」がところどころに見受けられる。一方で、福澤の翻訳を基にして翻訳された台湾語版では、福澤の私見がほとんど削除されていることが明らかとなった。言い換えれば、非常に客観的な科学的内容になっており、「読み物」というよりも「説明書/指南書」に近い感覚が受けとれる。 (2)福澤翻訳版の『訓蒙窮理図解』における挿絵では、大元となる西洋の書籍の文化を反映した挿絵に加え、当時の我が国の文化的背景に沿った人物(子供・女性を含む)や衣類、景観などが、挿絵に描写されていた。一方で、台湾語版では、描かれる人物のうち、子供が登場する挿絵では、当時の台湾の子供の姿が描かれていた。それとは対照的に、大人では西洋人が描かれることが多く、日本的な人物(例:日本髪を結って着物を着ている女性)は1回のみであった。 これらの結果は、現代に生活する我々(一般大衆)に必要な科学情報を、言語要素・非言語要素を介してどのように発信し、科学リテラシーの定着に寄与するかを考える上での試金石になると考えられる。そのうえで、今後は福澤諭吉と同時期に科学を翻訳し書籍を刊行した、他の翻訳者の科学翻訳を分析し、科学リテラシーの定着に向けた情報発信/コミュニケーションへの応用可能性について検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、1年目に、福澤諭吉と同時期に活躍した翻訳者によって翻訳・刊行された「翻訳科学書」の科学翻訳を分析する予定であった。しかし、福澤諭吉の周辺書籍を調べていくうちに、台湾語版の『訓蒙窮理図解』に関する研究がほとんど実施されていなかったことから、こちらの分析を優先的に実施すべきと判断し、研究を遂行した。 同書の分析に時間を割いたため、本来計画していた分析に追いつかず、「やや遅れている」と判断した。しかし、2年目に入り、本研究に集中する時間が取れるようになったため、1年目の遅れを2年目にリカバーできるよう努めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の進捗が遅れている、福澤諭吉と同時期に活躍した翻訳者によって翻訳・刊行された「翻訳科学書」の科学翻訳を、言語要素・非言語要素それぞれで分析し、その結果を抽出しまとめる。そのうえで、3年目に実施予定の「科学リテラシー向上に関する検証」の実践に向けた、授業計画などを策定する。 同時に、今まで得られた結果を論文としてまとめ、学術雑誌に積極的に投稿する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)