Project/Area Number |
23K12859
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仁科 国之 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 助教 (70843233)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | サイコパシー / 互恵行動 / 協力行動 / 協力 |
Outline of Research at the Start |
サイコパシーは自己中心的で自己利益を追求する特徴を持つことから、相手との関係性を考慮せず、短期的な自己利益最大化を目指した行動をとると考えられてきた。一方で、近年、サイコパシーは単なる非協力者ではなく、時には戦略的に協力する人間であることが示唆されているが、サイコパシーの戦略的協力性については検討されていない。本研究では、サイコパシーは自己利益の計算に基づく、計算的互恵行動を行うとの仮説を立てた。本研究では、これまで検討されてこなかったサイコパシーの計算的互恵行動と、それを裏付ける脳領域の特定を目指す。本研究の成果から、サイコパシーの計算的互恵行動のモデル構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、サイコパシーも友人には協力することが明らかになりつつある。この結果は、サイコパシーは単なる非協力者ではなく、時には戦略的に協力する人間であることを示唆しているが、サイコパシーの戦略的協力性については検討されていない。本研究では、サイコパシーは自己利益の計算に基づく、計算的互恵行動を行うとの仮説を立てた。本研究では、2者関係において互恵行動が可能か否かを操作した経済ゲームを用いた実験を通じて、これまで検討されてこなかったサイコパシーの計算的互恵行動と、それを裏付ける脳領域の特定を目指す。本研究の成果から、サイコパシーの計算的互恵行動のモデル構築を目指す。今年度は、オンライン実験によって、サイコパシーが信頼ゲームにおいて、他者を信頼するかどうか、および互恵的な行動をするかどうかを検討した。参加者は場面想定法による信頼ゲームで信頼者の役割を行った後に、返報者の役割を行った。信頼者の役割では、1000円の元手を100円単位でいくら預けるかを決め、預けた金額を信頼行動の指標とした。返報者の役割では、ストラテジックメソッドを用いて、返す金額の平均割合を互恵行動の指標とした。その後、スライダー法によるSocial Value Orientation、一般的信頼、日本語版Levensonサイコパシー尺度、リスク選好に回答した。その結果、サイコパシー傾向と信頼行動は関連を示さなかった。一方で、サイコパシー傾向に関わらず、向社会的な選好を持つ人は互恵行動をおこなうことが明らかになった。これらの結果は、サイコパシーは自ら進んで他者を信頼するような行動は行わないが、他者から信頼を示されると協力的に振る舞う傾向があることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、オンライン調査により、サイコパシーの互恵行動に関する検討を行う予定であり、計画通りに行うことができた。一方で、もともと計画していた独裁者ゲームとの比較に関しては行うことができなかったため、来年度に行う。来年度は独裁者ゲームを加えたオンライン実験と実験室実験を行う予定であるため当初の計画通り進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降は、当初の計画通り実験室実験を行うのと並行して、MRI実験の準備を進めていく。
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