Project/Area Number |
23K12873
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 望 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 助教 (10909948)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 強み / ポジティブ心理学 / well-being / 小学生 / 学校 / 介入 |
Outline of Research at the Start |
近年、学校教育においてもwell-beingの重要性が認識されるようになり、児童生徒のwell-beingの向上を目指す取り組みが増加している。しかし、多忙な学校現場では、介入効果を得るための十分な授業時間数を確保することが困難な場合も多い。そこで本研究では、ポジティブ心理学的介入の一つである強み介入(自身の強みを特定し、活用・育成することを促す介入)に着目し、「日々の短時間の強みの活動の継続」と「WEBアプリの導入」によって、学校現場での実施のしやすさと効果の高さの両者を兼ね備えた強み介入プログラムの開発を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、児童生徒のwell-beingに対する有効性(効果)と有用性(受け入れやすさ)を兼ね備えた強み介入を開発することであった。まず有効性の向上については、介入の媒介変数として機能すると考えられる強みの認識と活用感に着目し、「日々の短時間の強みの活動の継続」によって、自身の強みを認識し活用する頻度を増やすとともに、(強みを他者からみつけてもらったり活用したりすることで)自身の強みの木の花が育つ「WEBアプリの導入」によって、自己の強みを視覚的にフィードバックすることで、従来よりも強み介入の効果を高めることを目指した。有用性については、事前に小学校教員にアンケートを行い、1~2回の授業と5分以内の日々のワークであれば、多忙な学校現場でも実施しやすいことが示唆されたため、本研究では、1~2回の強みの授業とWEBアプリを用いた日々の5分以内の強みのワークを組み合わせた介入プログラムを開発した。 今年度は、介入の希望があった中学3年生139名と小学4年生83名を対象に研究を行った。しかし、中学生では教育委員会のアプリへのアクセス許可設定がうまくいかず、日々のワークを実施することができなかったため、新たに開発した介入の効果検証を行うことはできなかった。小学生では、学校との協議の結果、4年生でも実施が容易な友達と強みをみつけあう活動を中心とした強み介入(授業1回+2ヶ月間の日々のワーク)を行った。混合効果モデルによる分析の結果、クラスの影響を統制してもなお、介入前後で強みの認識、強みの活用感、他者の強みへの注目の有意な向上が示され抑うつの有意な改善が示された。また多くの児童が、強みの取り組みは楽しかった(99%)、大変ではなかった(74%)と回答していた。以上の結果から、開発した強み介入は児童の抑うつの低減に効果的であり、児童に受け入れられやすい介入であったことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、中学生の介入は効果検証が困難となったが、小学生の介入は予定通り実施することができた。また、介入の結果、統制群を設けていないため介入以外の要因が結果に影響した可能性は否定できないものの、新たに開発した強み介入が抑うつの低減に効果的であり、児童からも受け入れられやすい介入であったことが示唆された。したがって、本研究課題の進歩状況はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、児童や教員から得られた意見を元にWEBアプリの改良を行う。そして、小学生を対象に、介入群と待機統制群を設定し、介入効果の検証を行う予定である。
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