Project/Area Number |
23K12927
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
宮脇 裕 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 産総研特別研究員 (70965417)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 運動主体感 / 脳卒中 / 運動障害 / 上肢使用量 / 手がかり統合 |
Outline of Research at the Start |
脳卒中患者における麻痺肢の不使用は、運動障害が「自分が運動を制御している」という感覚である運動主体感を奪うことで起こる可能性がある。この可能性に対し本研究は、脳卒中後運動障害が運動主体感に及ぼす影響を検証し、この影響により麻痺肢の不使用が起こるのかを明らかにする。本研究の達成は、運動主体感の制御により運動障害を高効率に改善させる治療の開発に貢献し、患者の生活自立など、運動障害に起因する社会問題を解決に導くための基礎的知見になることが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
運動障害を有する脳卒中患者の中には、麻痺肢を使用しなくなる者がおり、その不使用が運動障害の改善を阻害することが問題になっている。この不使用は、運動障害が「自分が運動を制御している」という感覚である運動主体感を奪うことで起こる可能性がある。本研究は、A) 質問紙を用いた大規模調査を実施し、運動主体感と、運動障害や麻痺肢の使用量との関係性を統計モデルの構築により精査した上で、B) 運動主体感に関わる手がかりの実験的な操作により、運動障害が手がかり統合戦略に及ぼす影響を解明する。本研究の達成は、運動主体感の制御により、運動障害を高効率に改善させる治療の開発に貢献することが期待できる。 当該年度では、複数の病院と連携し、運動主体感を評価するために新たに作成した質問紙を用いて、脳卒中患者を対象にデータ取得を進めた。この質問紙だけでなく、運動障害や認知機能障害、高次脳機能障害などに関する様々な臨床評価も交えて、現在までに100例を超える症例から縦断的にデータを取得できている。これらの取得したデータを用いて、運動主体感、運動障害、麻痺肢の使用量などの多変量の関係性を統計的に分析しモデル化した。その結果、仮説に即した知見が得られた。その成果については、学会抄録および研究論文としてまとめ、それぞれ国内学会および国際学術誌に投稿中である。また、得られた知見からさらなる研究の発展が見込めたため、研究計画の拡張を図り現在議論を重ねている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在までに100例を超える症例から、質問紙だけでなく包括的な臨床評価尺度も用いて、多変量かつ大規模にデータ取得を進められている。さらに、これらのデータ取得は、経過を追跡する縦断的調査として実施できている。取得したデータを分析した結果、仮説に即した知見が得られており、すでに論文などの成果発表の形にまとめられているなど、非常にスムーズに研究を進展できている。これらの理由から、進捗状況は上記の区分に該当すると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究Aの質問紙研究について、有益な知見が得られており、成果発表を進めると同時に、研究計画の拡充を図っている。また、連携している研究協力機関では、多変量のデータを継続的に取得するシステムが構築できているため、さらなる研究規模の拡大が見込める。そのため、質問紙の改良に向けた新たなサンプルの取得や変数の増加など、研究Aの展開は当該分野の発展につながるさらなる知見を提供できる可能性が高いと考えている。これらのことから、当初予定していた研究Bの実験研究に早めに移行するのではなく、現在進めている質問紙研究のさらなる展開を目指し、こちらを優先的に進める方針で研究を展開する予定である。
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