Project/Area Number |
23K12944
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
|
Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
千代原 真哉 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 研究員 (50905429)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 視線計測 / 視線先行 / 瞳孔径 / 予測 / 予測誤差 / 運動制御 / 課題誤差 / 主体感 |
Outline of Research at the Start |
ヒトは新しい技能を身に付け、適切に身体を制御するために、視覚や自己受容感覚などの感覚器から得られる情報だけでなく、行為に対しどのような結果が得られるかといった予測を用いて行為ー知覚の整合性を維持する。近年の認知神経科学では、予測が学習に重要な役割を果たし、運動主体感の獲得に寄与することが知られている。しかし、予測は脳に保持されたモデルであるため、実時間で可視化して捉えることは難しかった。本研究では、その問題を視線計測によって解決し、運動制御や主体感の実時間での相互関係を解明していく。 さらに、開発した予測の可視化技術を実環境や仮想環境でも適用できるか検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトが新しい技能を身に付け,適切に身体を制御するためには「予測」を用いて行為-知覚の整合性を維持することが必要である。しかし,「予測」は脳に保持されたモデルであるため,実時間で可視化して捉えることは難しかった。そこで本研究ではこの問題に対して視線計測による定量化・可視化をすることで解決することを目的としている。 本年度は研究初年度として,視線運動によって「予測」を定量化し,運動制御の時間発展(変容)を可視化することを目的に(1)実験環境の構築と視線計測の設定,(2)視線計測データの前処理方法の検討,(3)視覚追従課題を用いた予備実験を実施した。 (1)に関しては,モニター上の波線をカーソルでなぞる視覚追従課題を用いて,安定した視線計測が行えるように,カメラ位置などの実験環境の構築と視線計測のパラメータの調整,検討を行なった。測定機器に依存した視線の不安定さが確認されたため,この不安定性を減らす目的で,測定結果に影響する要因の検討も同時に行なった。 (2)視線計測データでは,瞬きや眠気等によって視線データの欠如や精度の低いデータが混在する。そのため,文献調査も含め視線計測データの前処理方法の検討を行ない,視線データの精度改善を図った。 (3)視覚追従課題を実施中の視線データを測定し,視線および瞳孔径が行動データに対してどのように振る舞うのかを調査した。視線データを(2)で検討した手法で前処理し,視覚追従課題における視線の先行と瞳孔径の変動を確認した。カーソル運動と視線のデータをそれぞれ速度データに変換し,相互相関を調べることによって視線データの先行性を確認した。また,瞳孔径は試行や課題を通して変動することが確認され,学習や注意,モチベーションなどの認知的要因と関係する可能性が考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた視線計測実験の実験セットアップを行い,予備的実験を通して,「予測」を定量化できる指標の検討を行なった。その結果,視線先行は「予測」の指標として,瞳孔径は学習や注意などの認知的要因との関与が考えられた。しかしながら,今回の実験では視線先行や瞳孔径がそれぞれの指標として妥当なのか十分に検証できていないため,実験パラダイムの工夫や詳細な解析によって引き続き検討していく。 また,来年度に向けて,実施予定である「予測誤差の可視化による主体感の定量化」のために予備実験を行い,視線の指標と主体感に関係性がみられるのか検討を開始した。さらに,3年目に予定している仮想環境下でのシステムの準備を開始した。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究2年目(2024年度)の課題は(1)視線先行や瞳孔径などの指標としての妥当性の検証,(2)視線-行動データで定量化した指標を用いて主観的な指標へ拡張することである。 (1)では視線先行や瞳孔径を用いて,行動データの予測や説明を行い,定量的指標としての妥当性を検討する。これらの指標によって「予測」を定量化することで運動制御の時間的変動を捉える。 (2)「予測」は事前分布として学習に重要な役割を果たし,「運動主体感」の獲得にも寄与することが知られている。視線と行動データを用いて定量化した「予測(誤差)」で主体感レーティングを予測し,視線データの「予測」指標としての妥当性と主体感生起に関わるメカニズムの検討を行う。 さらに研究3年目に行う予定の「基礎から実環境・仮想環境への拡張」のために,実験システムの構築を開始する。
|