Project/Area Number |
23K12960
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前原 悠究 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 学術研究員 (80905729)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2027: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 高次圏 / Join / Gray tensor |
Outline of Research at the Start |
圏論は主に数学の代数的な側面を抽象的に捉える分野ですが、幾何的な情報も組み合わせて扱えるようにした圏論を高次圏論と呼びます。本研究では和や積といった基本的な代数的操作が、高次圏論の文脈ではどのように解釈されるべきか、そしてどのようにしたら簡単に計算できるかについて調べます。より具体的には、幾何的な和であるjoinと幾何的な積であるGray tensorについて、理論的なツール(厳密高次圏)を用いて計算した結果を、より多くの例(弱高次圏)に応用できることの証明を目指します。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は高次圏論に対する新しいアプローチとして、藤井宗一郎氏と星野恵佑氏との共同で、代数高次圏の理解を深めました。 高次圏はもともと「幾何的性質を持った対象に代数的構造を載せたもの」を扱うためのツールで、代数的性質と幾何的性質を併せ持ちます。しかし性格の異なる二つの性質を持つことで構造が複雑になっているため、高次圏の計算はしばしば非現実的に難しいものになります。そこで「多少特別な場合に限定すると、高次圏の計算をもう少し簡単な構造の計算で代用できないか」ということがよく研究されています。従来使われてきた「もう少し簡単な構造」はstrong Steiner厳密高次圏と呼ばれるもので、これは物凄く特別な場合に限定することで、計算を物凄く簡単にしています。本研究で扱っている代数高次圏は、厳密高次圏よりも広い場合に対応できる分、計算もある程度難しくなっているような構造です。 本研究では代数高次圏の幾何的理解を深めることを目標にしています。代数高次圏はその名の通り、高次圏の持つ二つの性質のうち、代数的なほうだけピックアップすることで、構造をやや簡単にしています。そこで代数高次圏の計算をオリジナルの高次圏の計算と結びつけるためには、幾何的性質を代数的性質からリカバリーする必要があります。最終的にはモデル構造と呼ばれるものを構築することで、代数的高次圏を十分幾何的に理解できると考えています。本年度の具体的な研究成果としては、そのモデル構造の準備として、弱同値の2-out-of-3 propertyと呼ばれる性質を証明しました。またfibrationのlifting propertyを用いた特徴付けについてもある程度理解を深め、証明の目途が立つ段階まで到達しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べた通り、代数高次圏を用いた新しい高次圏論へのアプローチを順調に探索しています。申請時の研究計画と比較するとアプローチは変化しているものの、研究成果の絶対量としてはおおむね計画通りだと言えます。
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Strategy for Future Research Activity |
代数的高次圏に関する藤井宗一郎氏と星野恵佑氏との共同研究を、今後も進めていく予定です。具体的には、弱同値やfibrationについて理解を深めることで、代数的高次圏のモデル構造を構築することを目指しています。また申請時に計画していたアプローチについても並行して進めていく予定です。Joinについては、研究時期以外は申請時と変わらず、excision of extremalを用いた計算を用いてアプローチするよう計画しています。二次元の場合のGrayテンソルについてはTimothy Campion氏やFernando Abellan Garcia氏、Felix Loubaton氏と議論を深めており、全てのアプローチの同値性を示すことを計画しています。無限次元のGrayテンソルはTimothy Campion氏の別の仕事によってやや理解が進んだため、申請時に計画していた内容からは少し修正が必要ですが、全体的な方向性や必要な計算(excision of extremal)は変わらない見込みです。
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