Project/Area Number |
23K12963
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
北川 宜稔 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 講師(任期付) (00804593)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | リー群 / 表現論 / 分岐則 / 球多様体 / ルート系 / 簡約リー群 |
Outline of Research at the Start |
群Gの既約表現を部分群G'に制限した時の振る舞いを調べる問題を分岐則の問題という。GとG'の表現が適切な関数の空間に実現されているとき、Gの表現からG'の表現への絡作用素を具体的に求めるという問題に対して、近年多くの結果が得られている。本研究では、そのような作用素の具体的な形がどのような有限のデータ(ルート系など)でコントロールされるかを明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、実簡約リー群の分岐則に現れる絡作用素(対称性破れ作用素)がどのようなルート系で統制されるかを明らかにすることである。特に、一般的な設定におけるルート系の定義と基本的な命題の証明、正則離散系列表現と呼ばれる特別な表現のクラスにおける具体的な記述を目標としている。対称性破れ作用素は、既存研究において具体的な場合で多くの計算がなされているが、既知の関数(超幾何関数など)で表される場合と、そうでない場合があり、そのような現象に対して抽象論により理由付けを考える。 本年度では、 M. Brion と F. Knop によって定義されたG多様体のルート系を利用して、G球多様体とそのG部分多様体に対するルート系の定義を一般的な設定で与え、正則離散系列表現の設定かつ古典群の場合に具体的な計算を行った。G多様体のルート系と、G部分多様体の余接ベクトル束のルート系の差を考えることで、新たなルート系を定義した。また、既存研究における対称性破れ作用素のケースバイケースでの計算と整合性のあるルート系が得られていることを確認した。その結果として、対称性破れ作用素が normal derivative と呼ばれる最も簡単な形になる場合と、ルート系が消滅する場合が同値であることを確かめた。これらにより、新たに定義されたルート系は対称性破れ作用素の情報を十分反映していると考えられる。 具体的な計算において、新たに定義したルート系のカルタン部分群がG多様体の軌道と関係していることがわかり、来年度の研究のための重要な観測が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では、本年度はルート系の定義を行い、正則離散系列表現かつ古典群の場合の具体的な計算を行い、計画当初に立てた予想が妥当であることを確かめることを目標としていた。 研究実績の概要で述べた通りこれらの目標は達成できたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、正則離散系列表現かつ例外型の場合を確かめ、正則離散系列の対称部分群への制限の場合に計画当初に立てた予想を計算により証明する。現在のルート系の構成ではG多様体そのものから直接得られたものではないため、微分方程式との関係を記述することが困難になっている。そのため、ルート系やカルタン部分群をG多様体から幾何的に直接構成し、実用上使いやすい形にする。
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