Project/Area Number |
23K12992
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
可香谷 隆 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60814431)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 曲面の発展方程式 / 偏微分方程式 / 接触角 / 自由境界値問題 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では,表面張力問題で用いられているエネルギー汎関数に対して,エネルギー散逸の観点から,新たに動的接触角条件付き平均曲率流を導出し,研究対象とする.本モデルに対し,初期値問題に対する解の一意存在性理論の構築と解の長時間挙動解析を行う.なお,本研究課題で扱うモデルは,偏微分方程式を考えている領域に依存して,エネルギー散逸に伴う変分構造だけでは解の長時間挙動を特徴づけられないことが予想される.そこで,長時間挙動解析においては,定常解が存在する領域における定常解の漸近安定性・不安定性の解析と,定常解が存在しない領域における解の長時間挙動解析を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績の概要は以下の通りである. (1)柳青氏(沖縄科学技術大学院大学)と三竹大寿氏(東京大学)との共同研究として,非局所項を伴う局面の発展方程式に対し,制御理論を基盤とした,常微分方程式を用いた解の表示公式の導出と,その応用とした解の漸近挙動解析を行った.また,本研究で扱っている解はレベルセット法によって記述されるものであり,関数クラスも粘性解を扱っているため,特異性が発生していても,時間大域的な解析を行えていることが利点として挙げられる.レベルセット法による解の表記を用いているため,fatteningについても議論する必要があるが,本論文では,初期状態によるfatteningの有無の条件も議論している.本研究の内容は,現在論文投稿中である. (2)角田健吉氏(九州大学)との共同研究として,確率論の大偏差原理に現れる,ある汎関数に対する特異極限に関する研究を行なった.汎関数の特徴としては,Allen-Cahn方程式の解が,汎関数の最小解となっていることが挙げられる.一方,Allen-Cahn方程式に対する特異極限の構造として,平均曲率流が相分離曲面として現れ,その法方向の解のグラフは,ある常微分方程式の解で近似できることが知られている.本研究では,平均曲率流に限らず,一般の曲面流を相分離曲面とし,その法方向に上記の常微分方式の解のグラフとして与えられる関数クラスに限定した時,上記の汎関数は,平均曲率流を最小解として持つ,曲面流に対するある汎関数にガンマ収束することを示した.本研究の内容は,現在論文投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記の研究成果は得られてはいるが,接触角構造という観点からすると,上記の研究は接触角構造は取り入れていないモデルに対する解析であり,本研究課題の達成のためには別の考察が必要になると思われる.従って,本研究課題に向けた研究としては,やや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究(1)に対しては,解析手法として,並行曲面の解析手法を取り入れている.この手法は接触角構造を取り入れたモデルへの拡張は難しいように思われる. 一方,本年度の研究(2)に対しては,深い関連性を持つAllen-Cahn方程式の特異極限問題において,接触角構造を取り入れた解析が行われている(例えば,Owen-Sternberg (1992)).これらの解析手法を参考に,(2)の研究に関しても,接触角構造を取り入れて研究対象とすることも視野に入れたい. また,イリノイ工科大学のChun Liu氏を訪問し,動的境界条件を貸した,曲率流のグラフ解の存在性理論,及び,漸近挙動解析についても取り組みたい.
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