Interactive research on expander graphs and (post-quantum) cryptographic hash functions
Project/Area Number |
23K13007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 12030:Basic mathematics-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐竹 翔平 熊本大学, 半導体・デジタル研究教育機構, 准教授 (30914204)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | エクスパンダーグラフ / 暗号学的ハッシュ関数 / スペクトラルグラフ理論 / 代数的グラフ理論 / 暗号数理 |
Outline of Research at the Start |
エクスパンダーは, 高い連結性をもつスパースなグラフであり, その明示的構成にはグラフの不変量評価などへの数学的応用や, (暗号学的)ハッシュ関数に基づく(耐量子計算機)暗号方式の設計などへの理論的応用がある. 一方, グラフ上のハッシュ関数の衝突困難性, 混合性などの性質は, グラフのエクスパンダーとしての性質を示唆する. 本研究では新しいエクスパンダーの明示的構成を与える. 実際には代数的手法で構成したグラフからハッシュ関数を構成し, その衝突困難性や混合性を解析することで, エクスパンダー性を調べる. 本研究により, (耐量子計算機)暗号の新たな方式の設計などへの貢献も期待される.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の成果として, 推移的グラフ, 特にCayleyグラフ上のハッシュ関数の一種の高次元化を与えた. 具体的には, 相川 勇輔 氏 (東京大学), Hyungrok Jo 特任助教 (横浜国立大学)との共同研究で, Cayleyグラフの2次元化である左右Cayley複体上でランダムウォークモデルを定義し, その上で新たなハッシュ関数 (左右Cayleyハッシュ関数)を提案した. さらに, 複体のスケルトンをなす2つのCayley graphのspectral gapの議論から左右Cayleyハッシュ関数の一様性を証明した. 安全性に関しては, 左右Cayleyハッシュ関数の衝突困難性と一方向性を群のワード問題の形で定式化し, 特に一方向性に関しては従来のCayleyグラフベースのハッシュ関数との違いを議論した. 以上の成果は, エクスパンダーグラフ上のハッシュ関数の高次元化の方向性を示唆しており, 今後の研究の進展が期待される.
一方で, 一般的な次数に対して, ほぼ最適なスペクトラルギャップをもつグラフ (near-Ramanujanグラフ)の構成研究も行い, 一部の次数に対しては, 知られている中で最良のスペクトラルギャップを実現するグラフの無限系列も得ることができた. これらのグラフは有限体上の2次特殊線形群の上で定義される推移的グラフでもあり, ハッシュ関数への応用と安全性解析の議論を現在行っているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
一部の次数に対しては, 知られている中で最良のスペクトラルギャップを実現するグラフの無限系列の構成にも成功した上, 左右Cayleyハッシュ関数という新たなハッシュ関数の構成も行うことで, エクスパンダーグラフ上のハッシュ関数の高次元化という新しい方向性を提案することができたため, 当初の計画以上に本研究は進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
一般的な次数に対するnear-Ramanujanグラフの構成とそのハッシュ関数への応用について, 引き続き検討を進めていく. 特にハッシュ関数への応用を考える上では, 内周などのグラフの閉路に関する情報を精密に評価する必要があり, ここでは四元数代数や保形形式などの手法が有効であると考えられるため, 専門家の意見も仰ぎながら議論を進めていく.
一方で, 左右Cayleyハッシュ関数のさらなる高次元も目指し, 有限群から構成される高次元エクスパンダーなどにも着目し, その上でのランダムウォークとハッシュ関数の定式化を検討する予定である.
さらに, 得られている推移的グラフからCGLハッシュ関数を構成して一様性などのシミュレーションも引き続き行っていく.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)