Project/Area Number |
23K13042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 13020:Semiconductors, optical properties of condensed matter and atomic physics-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
後藤 慎平 東京医科歯科大学, 教養部, プロジェクト助教 (90754739)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 量子コンピュテーション / 数値シミュレーション / 行列積状態 / 量子ダイナミクス / 量子制御 |
Outline of Research at the Start |
量子コンピュータが正しく動いているかの確認、またどのようにして効率的に制御すれば良いのか、こうした課題に取り組むためには量子コンピュータで起きていることを現行のコンピュータでシミュレートする必要がある。本研究課題はそのためのシミュレート手法を開発することを目指す。具体的には、量子ビットと量子ビットの間で情報のやりとりをする過程を、テンソルネットワークと呼ばれる表現方法を用いて波動関数の変化をシミュレートすることが本研究課題のゴールである。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に線形分散をもつボソン自由度の実空間におけるモデル化とその数値シミュレートの方法を確立するための研究を行なった。
電信方程式を量子化して得られる連成調和振動子系を実空間モデルの候補とし、様々な解析のスタート地点となる真空状態の行列積状態を得る方法を確立することに成功した。得られたモデルの真空は実空間ではエンタングルしているためにその行列積表現を得るのは容易ではないし、ボソン系の自由度は無限であるために無限自由度をどこまで取り入れるかという問題も現れる。研究の結果、ボソン自由度の数は高エネルギー状態への影響は小さいが、低エネルギー状態に対する影響が大きいことがわかった。また考慮するボソン自由度の数が多いほど得られる真空は励起の数が少ない質の良いものが得られることも確認できた。考慮するボソン自由度の数が多くなるため、行列積状態を取り扱う際には single-site コストのアルゴリズムを用いる必要があることもわかった。これは近年開発された局所 Hamiltonian が作用した状態から行列積状態に含まれていない線型空間を優先的に選択して空間の拡張を行う手法を採用することで満足いく結果が得られることを確認した。
以上の知見をもとに実際にボソン自由度を20自由度程度まで考慮した真空状態を得ることに成功し、また量子ビットを一つ接続した際の量子ダイナミクスを数値シミュレートすることにも成功した。これらの成果は日本物理学会2024年春季大会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定であった初年度でのボソン自由度の実空間でのモデル化とそのシミュレート手法の確立はおおむね達成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ボソン自由度の実空間モデル化はできたため、次の目標である2量子ビットが接続した場合の量子ダイナミクスのシミュレートを行う予定である。また有限サイズ効果を低減させるための方策も考慮する予定である。これについては実際に超伝導回路で採用されている終端抵抗と同様に、散逸を系に導入することで実現することを考えている。
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