Project/Area Number |
23K13053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山中 隆義 東北大学, 金属材料研究所, 特任助教 (80802115)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 核磁気共鳴 / 表面・界面物性 / 低温物性 / 強磁場 |
Outline of Research at the Start |
人工薄膜・超格子は電子状態の制御手段であり,新奇物性発現の舞台としても重要である.この新規物性の解明には膜試料の界面の物理の理解が必要であるが,膜試料に用いられる現在の実験手法では,界面に注目した電子情報を引き出すのは非常に困難である.NMRは元素・サイト選択性があるうえ,電子状態に応じて界面とそれ以外の層の信号の区別も原理的には可能である.しかし,膜状の微量試料ではNMRの信号観測自体が困難であるため,広く利用される手法ではない.本研究ではコイル充填率と核スピン偏極率の改善でNMR感度を飛躍的に向上し,NMRを薄膜・超格子の研究に取り入れ,未解明の界面現象を解明にしていく.
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Outline of Annual Research Achievements |
薄膜試料に対するNMR実験の環境を整えるため,今年度はサブフェムトインクジェット加工機を用いた表面コイル作製ノウハウの蓄積とNMRプローブの製作を行った.サブフェムトインクジェットは伝導性インクを対象に塗布して任意の精密パターンを描くことができる機器である.装置の動作原理とインクの特性のため,誘電率の大きいSrTiO3基板にはインク吐出量が多くなり過ぎることが分かった.また,誘電率がそれほど大きくないガラス基板やLaAlO3基板ではコイルパターンを作成できたが,これによるNMR信号の観測には至らなかった.これらのコイルパターンは電気抵抗が8オームとかなり大きいため,NMR信号が極端に抑制されたと考えられる.この高抵抗の原因は描画したパターンが薄いとこによるものと考えられる.パターン描画におけるパラメータを試行錯誤して基板に応じた最適値の決定をすることと,コイルの電気抵抗を抑えるために描画の厚みを増す工夫が必要で,次年度に取り組む. NMRプローブは既存のものをベースにして,導入ポートとしてNWフランジを追加したプローブを設計・作製した.これにより当初の予定の光ファイバーだけでなく,実験に応じて追加の同軸ケーブルなどの電流導入端子もハーメチックなNWフランジ型コネクタを用意すれば速やかに交換できる仕様にした.このプローブによる通常のバルク試料のNMR信号は観測できており,TlCuCl3の圧力・磁場誘起相転移の次数を調べることにも活用できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
表面コイル作製が完成にいたらなかったため. NMRプローブは完成し,通常のソレノイドコイルによるバルク試料の信号観測は達成している.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はコイルパターン作製の手法を確立する.SrTiO3は誘電率が大きく,伝導性インクの吐出量が多いため,ノズルの送り速度を上げ,バイアス電圧を下げることで吐出量を減らす.また1回の描画では伝導層が薄く,抵抗となる.そのため描画終了後に基板温度を上げて乾燥させたのち再度描画するサイクルを複数回繰り返して抵抗の減少を試みる. コイルパターンが完成次第,基板のNMR信号が観測できることを確認し,膜試料のNMRを試みる.
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