Project/Area Number |
23K13079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 14010:Fundamental plasma-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
竹崎 太智 富山大学, 学術研究部工学系, 助教 (90824326)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | パルスパワー放電 / プラズマフォーカス装置 / 無衝突衝撃波 / 多種イオン効果 / 多種イオン |
Outline of Research at the Start |
無衝突衝撃波での非熱的粒子の生成・加速過程の解明は宇宙物理学の重要課題である。近年の理論研究や大型レーザー実験では, 無衝突衝撃波での多種イオン効果が議論されており, その実験データの取得が期待されている。本研究は申請者らが開発した電磁パルス駆動プラズマ装置により多種イオンで構成される無衝突プラズマ流を生成し, 外部磁場の印加やイオン種の変化によるイオンエネルギー分布関数の変化を評価することで, 無衝突衝撃波での粒子加速現象と多種イオン効果を議論する。
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Outline of Annual Research Achievements |
無衝突衝撃波とは宇宙空間で発生するプラズマ衝撃波現象であり,宇宙空間の高エネルギー粒子の生成起源であると考えられているが,その詳細な物理過程は解明されていない。本研究はパルスパワー放電により実験室で無衝突プラズマの流れを駆動し,外部磁場との相互作用,および相互作用に対する多種イオンの効果を評価することで,無衝突衝撃波の物理過程の解明を目的とする。本年度はプラズマ流を駆動するプラズマフォーカス (PF) 装置のパルス電源の改良に着手した。従来のパルス電源ではスイッチング部にスパークギャップの自爆放電を利用していたが,スパークギャップの寄生インダクタンスが放電電流を妨げる要因であった。そこで,パルス電源およびスパークギャップを並列化し,MOSゲートサイリスタを用いた外部トリガ電源によりスパークギャップの放電タイミングを制御することで,スイッチ部の並列化による寄生インダクタンスの低下を図った。その結果,インダクタンスの低下による放電電流およびプラズマ流速の向上を確認した。これらの成果を関連する国内学会で発表した。また,光ファイバーとアバランシェ・フォトダイオード (APD) を用いたプラズマ自発光計測器により電極内部でのプラズマ生成過程を調査した。APDの前段にバンドパスフィルターを設置して特定波長の信号を検出し,飛行時間差法により特定のイオン種の速度を,線対法により電子温度の時間発展を計測する手法を確立した。今後,封入ガス種とバンドパスフィルターを変更して実験を行い,PF電極内部での多種イオンプラズマの生成過程を調査する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究によりPF装置のパルス電源改良の指針を得ることができた。従来,PF装置は数10 ~ 数100 Paの圧力領域で動作するのが一般的であるが,本研究ではPF装置を数Pa 以下の領域で運転することで,無衝突プラズマ流を駆動することが特徴である。そのデメリットとして,低圧力での動作により電極内のプラズマ挙動が流体力学的モデルから外れ,プラズマ生成過程が不安定となり,駆動されるプラズマ流の再現性が悪いという課題があった。今年度の研究で着手したパルス電源の並列化は,スパークギャップスイッチの寄生インダクタンスの低下により放電電流とプラズマ流速の向上を図ることができた。さらに,パルス電源の並列化は,外部トリガ放電により電極内でのプラズマ生成過程を制御することができ,プラズマ流の再現性の向上の可能性を持つ。今後,パルス電源の並列段数を増加し,放電電圧とコンデンサバンクを増強した場合でのトリガ放電回路の動作特性,およびプラズマ挙動を検討することで,パルスパワー放電を用いた無衝突プラズマ生成手法の技術向上を図る。また,今年度の研究により,線対法による電子温度計測手法を確立することができた。本手法では電子温度の時間変化を計測することができるため,ガス種を変更した場合,または混合した場合での電子温度の時間変化を評価し,パルスパワー駆動プラズマ流と外部磁場の相互作用についての調査を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はパルス電源の並列段数を増加し,パルス電源の充電エネルギーを増加することで,放電電流の増加を図る。その場合の電極内,および射出されるプラズマ挙動を評価することで,プラズマ流の高速化と再現性の向上の指針を得る。次年度からは新たなイオンエネルギー分布関数計測系の構築に着手し,生成されたプラズマ流と磁場の相互作用の評価,またその相互作用に対する多種イオン効果についての調査を進める予定である。
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