Project/Area Number |
23K13106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
上坂 優一 九州産業大学, 理工学部, 特任講師 (60826618)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2027: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ミューオン / レプトンフレーバー / 新物理探索 |
Outline of Research at the Start |
現在の素粒子標準模型を観測事実を説明できるよう拡張し, 複雑な素粒子の構造を統一的に理解するため, これまで様々な考えが提案されてきた. それらの考えの妥当性を調べるにあたり, 高強度のミューオンビームを用いた稀過程探索は有効な手法のひとつとなる. 本研究では, 稀過程を引き起こす新粒子が軽い場合も想定し, 近い将来に計画されるミューオン原子を利用した稀探索実験で素粒子の世代構造がどれだけ解明できるかを検証する. 計算の定量性を高めることにより, 従来の研究で理解が不十分であった観測量を詳しく調べつつ, 新粒子の情報を引き出すために注目すべき観測量を提示, 近い将来に実施される実験に備える.
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Outline of Annual Research Achievements |
素粒子の世代やニュートリノに関する謎の解明に向けて、荷電レプトンにおけるフレーバーの破れが重要な示唆を与えることが期待されている。近年においては様々な研究機関で大強度ミューオンビームが使用可能になっており、ミューオンを用いた新物理探索は素粒子模型におけるフレーバー構造へ強い制限を与える。茨城県のJ-PARCでもミューオンを用いた大規模な新物理探索実験が数種類計画されており、近い将来に成果が得られることが有望視されている。そのような状況の中、理論側からミューオンを利用してレプトンのフレーバー構造を調べる新たなアイデアを考案し検討することの重要度は高い。 令和5年度は、特にミューオンを用いる新物理探索として注目されている「ミューオニウム反ミューオニウム転換過程」における磁場の有用性や、「原子核のベータ崩壊」に関する定式化について調べ、論文と学会発表により成果を公表した。また、「ミューオン電子転換過程」の探索において従来と異なる方法で新物理を探索するアイデアについて研究発表を行った。この成果については令和6年度以降に論文としても発表を行う予定である。 加えて、ミューオン原子中のミューオン崩壊で放出される電子の波動関数に関する補正についての研究も進めつつあり、研究目標に向けた準備は順調に整いつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミューオンを含むレプトンに関連する新物理探索や計算手法に関する研究や打ち合わせを広く進めており、研究の目標に向けて順調に知見が集まっている。令和5年度は「ミューオニウム反ミューオニウム転換過程」や「ミューオン電子転換過程」、「ベータ崩壊」に関して研究を行い、それらの成果を論文や学会発表により公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、令和5年に取り組んだ研究をさらに推し進め、それぞれの新物理探索のアイデアに関してさらに具体的で定量的な評価を目指す。その際、輻射補正などの高次効果を適切に取り入れるため、順天堂大学所属の清准教授らと協力して研究を行う。また、J-PARCで行われる予定のCOMET実験やミューオニウム反ミューオニウム探索実験に関わる実験家と定期的に交流し、現実的な設定の下で探索が上手くいきそうかどうかを調べていく。 令和7年度以降には具体的な素粒子模型に目を向け、注目する新物理過程がどのようなタイプの素粒子模型を制限するのかなどを分類し、より詳細な過程の理解を目指す。
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