Project/Area Number |
23K13112
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
BERNS LUKAS 東北大学, 理学研究科, 助教 (70963966)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
|
Keywords | ニュートリノ / パイ中間子 / ハドロン散乱 / 素粒子 |
Outline of Research at the Start |
長基線ニュートリノ振動実験による宇宙における物質の起源解明に向け、全ての系統誤差を現在の半分以下に抑えたい。振動前のニュートリノ・フラックスと散乱断面積に対して重要な制限を与えている前置検出器での検出器誤差の中で最も大きいのはパイ中間子散乱に関するもので、古くて単純なモデル、外部実験をうまくフィットできていない、ほとんどのデータが古くて系統誤差の相関情報がないなど、多くの課題がある。本研究ではこれらをモデルとグローバル解析の改善、既存のデータの追解析による新しい断面積測定の実行と、新しいハドロン散乱データの取得によるさらなる誤差削減を目指し、ニュートリノ振動解析のさらなる精密化を狙う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
まず先行研究である Elder et al.の結果を再現することに成功した。この解析においてはデータがよくフィットできていないことを考慮して最終的な誤差が7.5倍拡大されておるが、それをモデル拡張などで2倍程度に抑えることを目標としていた。今回そもそも7.5倍の誤差拡大は統計学的な誤りに基づいており、意図している操作を正しく行うだけで大分抑えられることが分かった。 とはいえモデルが不十分であることは変わらないので、その拡張にあたり、どのような新しい自由度の追加が必要になるのかを調べるためにガウス過程(GP)を用いた設計自由度の高いモデルを開発した。交差検証では良い予言能力があることを確認出来たので良いフィット及び誤差推定が出来ていると思われる。 系統誤差の相関が分からない点の扱いについて現在の保守的な扱いをより最適化できる文献を見つけたので、この解析で必要な拡張を準備してる。 DUET実験の未解析水データは京都大学のサーバーから取得することができ、今後これの解析を試みるか検討する。データのみを使ったGPでは炭素とアルミのデータの内挿で酸素の吸収断面積をよく予想できているため、予想モデルの検証に使えると期待できる。一方で最終的な誤差削減という意味では効果は薄い可能性がある。 追加実験の可能性に関してはT2Kにおいて新しく追加された膨大な数のシンチレータ・キューブや波長変換ファイバーを用いた新型検出器郡のシミュレーション及び再構成チームのコンビナーを新しく担当することになった。追加実験を行うことになった場合はここでの知見が有用になると期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究の結果の再現が出来ただけでなく、大きな誤差拡大の一部がそもそも必要ではないということが分かったため、吸収断面積の誤差をDUET誤差の最大2倍に抑えるという目標の一部に向けては既に一歩前進した。加えて今後の方針を決定するのに有用な設計自由度の高いモデルを開発出来たため。これを用いて提案した3つの方針のうちどれが一番最終目標であるニュートリノ実験の解析に効くかを更に調べていくことで、より確実に研究目標を達成することが出来ると期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
有用なガウス過程を用いたモデルが作れたものの、現状では巨視的な記述しか出来ていない。そのためすぐにニュートリノ解析に応用出来るような微視的なものも用意する必要があるが、具体的に現行モデルにおいてどの反応モードの誤差が過小評価されているかなどが調べられるようになった。また現在のデータではカバーできていない位相空間が多いので、完全にデータに頼ったモデルというのが構築できないことも現実である。炭素ではまだ比較的良いものの、酸素は著しくデータが少ない。また原子核物理寄りのまだ使われていないデータが実はたくさんあることも発見したので、これらを解析に組み込むことでモデルの予言能力が損なわれ、異なる実験グループで大きく異なる断面積が用いられている領域においても幾分データを用いた制限が加えられると期待できるので、反応ジェネレータに必要な変更を加えてこれらを用いれるように進めていく。
|