Project/Area Number |
23K13122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥平 琢也 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (40826129)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | CP対称性の破れ / 中性子吸収反応 / 偏極技術 / 偏極中性子ビーム |
Outline of Research at the Start |
これまでの申請者らの研究によって、139Laや131Xeなどの中性子共鳴吸収反応において核子間相互作用におけるCP対称性の破れが約100万倍まで非常に大きく増幅されていることが明らかになった。これにより未知のCPの破れを高感度で探索できる可能性が示唆されている。CPの破れは偏極核標的と偏極中性子ビームのスピン依存する吸収断面積として測定される。本研究では近年開発された中性子偏極技術と131Xe偏極技術を用いて、核力ポテンシャルによる中性子スピン回転効果の抑制手法を実証した上で、CP対称性の破れ探索手法として確立することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
原子核の中性子吸収反応において、時間反転対称性の破れが大きく増幅される可能性が示唆されており、この増幅機構を用いた感度の良い時間反転対称性の破れ探索実験を計画している。本研究ではこのための基礎研究を推進している。J-PARC MLFにて静的偏極139Laターゲットと偏極中性子ビームを用いて139Laと中性子のスピン依存する吸収断面積の測定を行った。時間反転対称性の破れが大きく増幅されている139Laの0.75eVのp波共鳴に対して初めてスピン依存する断面積の測定に成功し、そこからp波共鳴の中性子部分幅を決定することに成功した。これを用いて139La p波共鳴における時間反転対称性の破れの増幅率を決定した。これは中性子部分幅の終状態に依存しない決定であるとともに、全核種で初めてp波共鳴に対するスピン依存断面積を測定した結果である。本結果は素粒子原子核物理だけではなく、核データなどで重要となる複合核スピンの決定手法としても注目されている。 また中性子偏極デバイス用にビームラインに導入可能なレーザー偏極装置を開発し、中性子ビームラインにて動作テストを行なった。3日以上の長時間にわたり安定した中性子偏極率を達成できることが確認された。 これに加えて時間反転対称性の破れ探索実験の原理検証のためのスピン交換法を用いた偏極Xeターゲットの開発を推進している。電子スピン共鳴法を用いたXe偏極率絶対値の測定手法を開発し、高い信頼度で129Xeおよび131Xeの偏極率を決定することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
J-PARC MLFのトラブルにより一部のビーム実験が実施できなかったが、偏極Laと偏極中性子のスピン依存断面積の測定に成功していることから、概ね順調に計画は進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
中性子偏極デバイスの性能をさらに改善することで、139Laと中性子のスピン依存断面積の測定実験の更なる高度化を行う。これに加え偏極Xeターゲットと偏極中性子ビームを用いた原理検証実験を推進する。
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