Project/Area Number |
23K13161
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
中山 陽史 立教大学, 理学部, 特任准教授 (50963815)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 系外惑星 / 大気散逸 / 大気進化 / 地球型惑星 / ハビタブルプラネット |
Outline of Research at the Start |
「地球のような温暖な環境を保つ地球型惑星は存在しうるのか」という問いは系外惑星研究における中心課題である。その中でも太陽に比べ、低質量かつ低温度の星の周りに存在する地球型惑星は今後数10年間にわたる主な観測対象として検討されている。しかし、低温度星はUVなどの高エネルギーな光を強く放射しているため、温暖環境保持に対して重要な “大気”の進化が地球のような惑星とは根本的に異なる。本研究では、強UV環境における地球型大気の大気散逸率の惑星質量、大気組成、恒星スペクトル依存性を定量化し、大気散逸が大気進化に与える影響を体系的に明らかにし、温暖環境を保持可能な条件に迫る。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題は地球型惑星大気の大気散逸に焦点を当て、地球のような温暖環境を保つ地球型惑星は存在しうるのかという問いに答えることを最終目標としている。その目標に向けて2023年度では、1)申請者が独自に開発している高層大気モデルを大規模な大気散逸を追うことが可能なように拡張すること、2)既存のモデルで対応可能な地球型惑星の大気散逸過程やその観測的特徴に関する研究を行った。 1)ワークステーションを購入し、開発・数値実験の行える環境の整備を行った。また、流体モデルを開発し、高UV環境に適応可能な高層大気モデルの開発を行っている。数値安定性、精度の確認として、流体モデルのテストを行った。 2)高UV環境において期待される輝線放射の観測的特徴について検討を行った。放射輸送モデルの開発を行い、惑星高層大気から放射される輝線のプロファイルを示した。既存もしくは将来的に建設予定である地上望遠鏡を用いた観測可能性については今後検討予定である。加えて、金星や火星のようなCO2が豊富な大気と地球のような大気での大気散逸の違いについて理論検討を行った。特に現在の太陽系惑星で見られるような低UV環境からその100倍程度の比較的UVが弱い環境に着目している。その結果として、放射冷却そして大気散逸過程のUV強度に対する依存性は惑星質量に強く依存することが分かった。そして、現在の太陽系惑星からCO2の放射冷却はUV強度が強くなるにつれ、温度構造への影響は減少する。そのため、先行研究とは異なる大気組成に対する依存性が存在することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
流体モデル自体のテストは完了しているが、多成分かつ様々なタイムスケールが混在する高層大気モデルに組み込むことに当初の予定より多くの時間を要している。また、先行研究で利用される流体モデルでは地球型惑星大気で多く見られる静水圧構造を解像するには不十分であると判明し、静水圧構造から遷音速解に代表される流体的な圧力構造の両方を考慮可能なモデルを開発する必要性が生じた。しかしながら、既存のモデルで対応可能な低UV環境の検討や観測的検討を先んじて進めた。上記を踏まえ、当初の予定からやや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度同様、様々なUV環境に適応可能な高層大気モデルの開発を進め、惑星質量、UV強度といったパラメータ依存性に対して大気散逸率を定量化する。加えて、本研究で着目している熱的な大気散逸に加えて、非熱的な大気散逸過程に関しても、アメリカを中心とした国際検討チームと共に検討を行う。
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