Project/Area Number |
23K13174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 17020:Atmospheric and hydrospheric sciences-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大石 俊 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 研究員 (30834965)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 海洋データ同化 / 海洋解析データセット / アンサンブル予測 / 決定論的予測 / 黒潮 / データ同化 / 粒子追跡 |
Outline of Research at the Start |
海洋モデルは初期ショックによる悪影響を蓄積しやすく高精度の解析値を作成することが難しかった。そのため、海洋分野ではこれまでアンサンブルカルマンフィルターを実装した例が3次元変分法などのデータ同化手法に比べて少なかった。そこで、Ohishi et al. (2022a, b;GMD)によって提唱された手法を組み込み、この問題を軽減した高解像度の領域海洋アンサンブルカルマンフィルターシステムを構築する。そして、アンサンブルカルマンフィルターの利点であるアンサンブル予測を実施し、海洋分野での有効性を明らかにする。そのために、変動が激しい黒潮に着目し、流路変動の予測可能性や流路が遷移する要因について調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題の研究目的は、アンサンブルカルマンフィルタを実装した高解像度海洋データ同化システムを用いて、海洋分野でのアンサンブル予測の有効性を明らかにすることである。本年度・次年度の計画は、高精度なアンサンブル解析プロダクトの作成、およびその作成したプロダクトを用いた予測シミュレーション実験を行い、決定論的・アンサンブル予測可能性を調査することである。本年度に得られた研究実績は以下のとおりである。 予測シミュレーションに用いる解析プロダクトの精度を改善するために、大気再解析データセットJRA-55(Kobayashi et al. 2015)、海洋モデル駆動用にJRA-55のバイアスや不確実性を改善した海洋強制データセットJRA-55do(Tsujino et al. 2018)をそれぞれ海洋データ同化システムの大気強制に用いた感度実験を行った。その結果、JRA-55doを用いることで、沿岸付近に分布する高温バイアスが有意に改善されることを示し、混合層熱収支解析により高温バイアス改善の要因を明らかにした。この研究成果は国際学術誌Ocean Modellingに掲載された。 作成した解析値を初期値に用いた決定論的およびアンサンブル予測シミュレーションを2016-18年の各月において実施した。日本南岸の黒潮流路に着目して予測精度を比較した結果、アンサンブル予測可能性が限界となる長さは130-140日で、決定論的予測より約1ヶ月ほど有意に長くなることを示し、アンサンブル予測の有効性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、高精度のアンサンブル解析プロダクトの作成、決定論的・アンサンブル予測シミュレーションの実施、これらの予測実験の精度検証を行った。決定論的予測よりアンサンブル予測の精度が有意に良いことを実証したことから、本課題は最終目標に向け順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
アンサンブル感度解析をアンサンブル予測の出力結果に適用し、2017年夏季に生じた黒潮大蛇行の形成要因について明らかにする。また、これまでに得られた研究成果を国内外の学会や国際学術誌などで報告する。
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