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Construction of AI-based tropospheric delay correction for precise deformation monitoring

Research Project

Project/Area Number 23K13182
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

田中 優介  東北大学, 理学研究科, 特任研究員 (90974254)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Keywordsスロースリップ / 深層学習 / 畳み込みニューラルネットワーク / GNSS実データ / ノイズ時空間特性 / 自動検出 / 大気遅延補正 / 機械学習 / GNSS測位解析 / 地殻変動モニタリング
Outline of Research at the Start

本研究ではGNSSによる地殻変動観測で大きな誤差となる,大気による電波の屈折で生じる見かけの位置の変化,いわゆる大気遅延ノイズをAIで補正する手法の開発に取り組む.具体的には個々のGNSS観測点で生じる大気遅延ノイズの時間変化の特徴を機械学習で抽出し,現在のノイズの時間変化から直後の未来のノイズの時間変化を予測する手法を構築する.これにより既存のノイズ補正手法のように数値気象モデルに頼ることなく,大気の細かい時空間変化の影響を精密に捉えて真の地殻変動と分離する.そして巨大地震の準備過程の鍵となるスロースリップなどの微小な断層すべり現象による地殻変動を,より正確に捉えることを目指す.

Outline of Annual Research Achievements

今年度はGNSS座標時系列の実データの機械学習による,単一観測点でのスロースリップ(SSE)のシグナルの検出に取り組んだ.SSEは発生数または検出数が通常の地震より遥かに少ないため,学習用データを多数確保するのは容易ではない.そこで本研究ではSSEの検出事例が最も充実している西南日本に注目し,先行研究による短期SSEの検出カタログを駆使して学習用データを生成した.その上で地震動検出のために考案されたモデル構造を応用し,一定長さの時系列にシグナルを含む確率を学習・判定させた.
学習の結果,テストデータで90%を超える正答率が得られ,また先行研究で不確実性が大きいと評価されたシグナルでは見逃しの割合が高くなるなど調和的な傾向が得られた.さらに今年度は検出能力の時空間傾向とノイズの時空間特性との詳細な可視化・比較議論を進めた.例えば振幅が大きいシグナルほど検出が容易なため,規模の大きいSSEが多い四国西部で見逃しが最も起こりにくかった.一方で誤検知の起こりやすさは非常に不規則であり,複雑なノイズ時空間特性に影響されることが示された.特に時系列の折れ曲がりが誤検知の大きな要因であり,長周期側のパワーが高いGNSS時系列ではこうした折れ曲がりによる誤検知が多発しうること,単点での安定した判定は困難性が高いことが示された.
GNSS時系列への機械学習の適用は依然進んでおらず,特に実データを用いた学習によるシグナル検出はほぼ前例がないと思われる.実データを直接用いることで,人工データでは再現しきれない複雑なノイズ時空間特性を直接考慮可能である点で,本研究の意義は大きい.また今年度は上記の初期的成果を各種の学会・研究集会で発表し,特に情報科学・地震学の分野の研究者とその改善策や方針を議論した.併せて今年度得られた初期的成果の論文化を進めた.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は当初は大気遅延時系列の推移予測を主軸とした手法開発を予定していた.しかしながら当初の計画はGNSS座標時系列を大気遅延ノイズと地殻変動の和として単純化して考えており,他の要因も含めた現実のノイズの複雑さについては検討が途上であった.このような座標時系列の広域・長期のノイズ時空間特性を網羅的に解析し,その物理的意味を議論した研究事例はあまりない.加えてGNSS時系列に機械学習を適用する試み自体が依然として少数であり,その困難性や課題点は整理されていない.
こうした状況を受けて今年度は当初計画から方針を改め,西南日本のGNSS座標時系列の実データの機械学習によるスロースリップ(SSE)のシグナルの判定に取り組んだ.問題の切り分けのため,初めに単一観測点の座標時系列にシグナルを含む確率を判定するという最も単純な問題に取り組んだ.地震動検出のために考案された手法を応用し,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)による学習・判定を行なった.その結果,ある程度の精度での判定が可能であることが示され,先行研究で不確実性が高いと評価されたシグナルでは見逃しが多い,振幅の大きいシグナルほど見逃しが少ないといった直感に合う傾向が得られた.このほか夏季に見逃しが多い傾向も見られ,ノイズの季節変動との関係について議論途上である.またGrad-CAMなどの可視化手法を交えて誤検知の原因を議論し,時系列の長周期の折れ曲がりが特に影響している可能性を示したほか,誤検知の起こりやすさの空間傾向は不規則でありノイズの複雑な特性に左右されていることを示した.また単一観測点での安定した判定に限界があること,広域・長期のノイズ特性を網羅的に捉えるために学習手法の改良も要することが示された.このように当初計画と内容は異なるものの多くの初期的成果とそれに基づく課題提示が得られたため,概ね順調と評価した.

Strategy for Future Research Activity

GNSSデータに対する機械学習の適用が進んでいない一方,画像解析の技術は他の学問分野で広く用いられ,地震学においては機械学習を用いた地震波の検出が既に高精度を確立している.そのため本研究では情報科学や地震学の分野の研究者との積極的な議論による,既存の知見の活用が重要である.特に地震動のような振動現象とSSEシグナルのような長周期の変動とで,検出の困難性や手法の改良策にどのような相違があるかに注目しながら議論していく予定である.
また今年度の研究成果から学習用データの生成手法,学習自体の手法の両面で多くの将来課題が得られた.前者のデータ生成についてはまず一般的な画像解析で用いられるデータ増幅の手法,例えばデータの伸縮や反転・回転などの処理を取り入れる.これは方向や時空間スケールが異なるシグナルへの対応能力を広げることにもつながり,将来的に西南日本以外の地域への適用を試みる上でも有効である.また民間のGNSS観測点を学術研究に活用する取り組みが進んでおり,研究代表者は同目的で設立されたコンソーシアムに加入済みである.今後は観測点自体の大幅な増加によりデータの絶対量を増やすことも可能である.後者の学習手法としては,まずアンサンブル学習の活用等により手持ちのノイズ時系列データ全体の特徴を余すところなく取り込む手法を検討する.またシグナルの有無の判定にとどまらず,シグナルの開始・終了時期まで特定させる手法を検討する.これらは単一観測点でも成立するが,今年度の研究成果から単点での安定した判定は非常に困難であることが示されている.そのため単点での手法改良をある程度進めた上で,複数観測点を併用した手法への拡張に移る.
上記のような内容で座標時系列からSSEシグナルを検出する枠組みを確立し,ノイズの物理的意味と対処方針を整理した上で,当初の目的である大気遅延時系列の解析に移行する.

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 西南日本のGNSS地殻変動時系列の深層学習によるスロースリップのシグナルの自動検出2024

    • Author(s)
      田中優介,加納将行,矢野恵佑
    • Organizer
      2023年度 固体地球科学データ同化/データ駆動型地球科学に関する研究会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 機械学習による西南日本のGNSS時系列中の短期SSE自動検出の試み2023

    • Author(s)
      田中優介,加納将行
    • Organizer
      日本地震学会2023年度秋季大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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