Project/Area Number |
23K13188
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
穴井 千里 高知大学, 海洋コア国際研究所, 客員助教 (00845779)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | エディアカラ紀 / 古地磁気 / 岩石磁気 / 古地磁気測定 / 地球内核形成 / 二次磁化 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、3~8億年前の火成岩・深成岩および堆積岩試料の残留磁化を高解像度で評価し、地球内核形成時期の推定に役立てる基礎研究を行うことを目的とする。最近の研究では4~5.7億年前に地球内核が形成され始めたとされており、これは地球磁場研究によるものである 。地球内核形成時期を正確に推定することは、地球史、特に地球環境史にとって極めて重要である。地球内核形成時期を地球磁場研究から推定するためには、その地球磁場記録が正確なものであるかを評価することが重要である。本研究では、モンゴルZavkhanテレーンに分布する3~8億年前の火成岩・深成岩及び堆積岩から、残留磁化を抽出し獲得機構とその時期を評価する
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、モンゴルZavkhanテレーンに分布する3~8億年前の火成岩・深成岩及び堆積岩から、残留磁化を抽出し、獲得機構とその時期を評価する。本研究では“二次磁化”にも焦点を当て、磁化履歴から地球磁場変動についての考察を試みる。 現在、770Maの年代が付けられた花崗岩と446Maの年代が付いている流紋岩の基本的な古地磁気・岩石磁気測定を進めている。(年代はBold et al., 2016およびKillan et al., 2016より) 花崗岩の岩石磁気測定から、主要な磁性鉱物はマグネタイトであることが明らかとなったが、磁区構成は多磁区粒子の割合が高めであった。低温消磁をかけると、減磁率が60%程度と極めて大きく、磁化の大部分は多磁区粒子起源のものである。その後の段階交流消磁の結果では60mT付近まで複数成分を示し、その後は不安定な挙動で最後まで消磁される。熱消磁の結果を見ると、540度以降で原点へ向かう直線が確認できることから、安定した単磁区のマグネタイトはわずかに存在しており、この成分が特徴的残留磁化成分であることがわかる。火成岩は形成時から長い年月をかけて冷却される過程での熱残留磁化の平均(e.g.~75kyr, Bono et al., 2019)であると考えられる。このことから540度以降の成分が初生磁化であれば、この情報から770Maの古地磁気方位や強度、古緯度情報を引き出すことができる。しかし、高濃度で含有される多磁区粒子の取り扱いについては今後検討する必要がある。 流紋岩の岩石磁気測定の結果からこちらも主要な磁性鉱物はマグネタイトであった。しかし、熱磁気分析の結果からマグへマイトが含まれている可能性が示唆された。交流消磁および熱消磁の結果はほぼ単成分であり、原点へ向かう特徴的残留磁化成分は確認されるものの、これが初生磁化であるかは検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
古地磁気・岩石磁気測定を順次進めているが、適切な手法を再検討する必要が出て来たため進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
花崗岩については多磁区粒子による影響を選択的に除去した上で、安定した単磁区および擬単磁区粒子が記録する古地磁気成分(方位・強度)を抽出し、磁化履歴を明らかにする。多磁区粒子を抑制しての古地磁気測定は、低温消磁との組み合わせを行う。また、現在は1インチコア試料での測定を行っているが、薄片試料による磁気顕微鏡での測定も検討している。Bono et al. (2019) やHuang et al. (2024) では、斜長石に含まれる単磁区粒子サイズのマグネタイトを用いた古地磁気強度測定を行っている。この手法は、岩石形成当時の磁性鉱物が” タイムカプセル “の役割を果たす斜長石の結晶に保護されているため、変質がなく、極めて正確な古地磁気強度推定ができるとされている。しかし、この手法では、古地磁気方位が確認できない。方位・強度双方から、より信頼性の高いデータを得るために磁気顕微鏡での測定手法について検討する。流紋岩については、マグへマイトが磁化を担う磁性鉱物である場合、全て二次磁化である可能性が否定できない。さらに詳細な岩石磁気特性を捉えて検証を行う。
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