Project/Area Number |
23K13195
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
畠山 航平 明星大学, 教育学部, 助教 (00884066)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | かんらん岩 / 弾性波速度 / 電気比抵抗 / クラック / サーマルクラック / 異方性 / 電気伝導度 |
Outline of Research at the Start |
マントルには、冷却にともなって発生する応力でサーマルクラック(熱亀裂)が形成すると考えられている。しかし、マントルのような異方的媒質に形成する熱亀裂が地震波速度や電気伝導度に与える影響は、実験的に検証されていない。本研究では、かんらん岩に形成する熱亀裂の配列方向と連結度を明らかにすることを目的として、加熱処理をしたかんらん岩の弾性波速度、電気伝導度測定とクラックと結晶方位の組織観察を行う。これらの結果を基に、マントルの物理探査から報告される観測結果を鉱物だけでなくクラックの定向配列の影響を考慮して解釈することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マントルを構成するかんらん岩に発達する熱亀裂(熱クラック)の配列方向と連結度を明らかにすることである。本年度はかんらん岩の加熱前後における弾性波速度と電気比抵抗(電気伝導度の逆数)の測定について研究を進めた。まず、精密バイスを取り付けた卓上研削盤(プレパラップ)を新規に導入し、キューブ状実験試料の作製を行った。次に電気比抵抗を測定するために、LCRメータと電極にステンレスブロックを用いた交流インピーダンス法の測定手法の確立に取り組んだ。実験試料にはNaCl水溶液(濃度:0.5 mol/L, 35 g/L)に飽和させた庵治花崗岩を用いた。本実験から測定した電気比抵抗は、庵治花崗岩を用いた先行研究の結果とオーダーで一致した。以上の電気比抵抗の測定手法を基にかんらん岩の電気比抵抗とパルス透過法による弾性波速度の測定を行った。実験試料には北海道日高変成帯幌満岩体から採取したかんらん岩を用いた。弾性波速度と電気比抵抗は、キューブ状試料の直交する3方向で測定した。また、実験試料を窒素雰囲気下において600度で加熱することで熱クラックを形成させ、加熱前後における弾性波速度と電気比抵抗の変化を調べた。その結果、弾性波速度の異方性は加熱後では増加し、電気比抵抗の異方性は低下する傾向を示した。今後は加熱温度を変えた実験からクラックの形成量の影響を検証するとともに、微細組織観察からかんらん岩に形成する熱クラックの配列方向についても検証していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
卓上研削盤と電気比抵抗の測定手法の開発が予定通りに進めることができたため、加熱前試料の弾性波速度と電気比抵抗の測定を始めることができた。また、加熱試料の測定にも取り掛かれている。微細組織観察においては、偏光顕微鏡での観察と電子顕微鏡観察における測定条件・解析手法の検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、加熱温度を変えることで空隙率が異なる試料を用意し、これらの弾性波速度、電気比抵抗の測定からクラック連結性の変化を調べる予定である。また、電子顕微鏡を用いた微細組織観察も行うことで、実験結果と微細組織観察の結果を合わせてかんらん岩に形成する熱クラックの配列方向と連結度を調べていく。
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