Project/Area Number |
23K13203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 17050:Biogeosciences-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
滝沢 侑子 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (90822536)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 安定同位体 / 窒素 / 嫌気代謝 / アミノ酸 / 分解 / GC-IRMS / 異化 |
Outline of Research at the Start |
生物が用いるアミノ酸は生物代謝における様々なプロセスに関与する。グルタミン酸が異化分解経てα-ケトグルタル酸となり中央代謝系に輸送される一連のプロセスは,エネルギー生産を担う「中央代謝系」の下流部に位置する「好気代謝」に属する。その一方で,中央代謝系の上流部に位置する「嫌気代謝」の同位体分別はほとんど理解が進んでいない。嫌気代謝には解糖系や発酵などのエネルギー生産に重要なプロセスが存在することを鑑みると,生体内および環境中における,好気・嫌気を含む「総合的なエネルギー消費量」をこれまで長らく過小評価し続けてきたと考えられ,反応量を定量的に評価するための手法を新規に開発することが求められる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,地球生物圏のあらゆる環境で起きている「嫌気代謝に伴う物質・エネルギー循環」を,定量的に評価するための新しい方法論を開発することである。その第一歩として,本研究課題の達成目標は,代謝における「反応量」を見積もることができる「安定同位体比」を用いて,嫌気代謝の基質として知られる代表的なアミノ酸「アラニン」を対象に(i)異化分解に伴う同位体比変化を明らかにする;(ii)レイリーモデルに基づいて同位体分別係(α),および反応量(F)と同位体比変化(Δ)との関係性を求める;そして(iii)環境試料への展開を見据えた萌芽的研究を実施することである。 当該年度は,(i)(ii)に相当する「アラニンの異化分解に伴う同位体比変化を明らかにする」を達成することを目標に実験をおこなった。具体的には,アラニンを脱アミノ化酵素(アラニン-アミノトランスフェラーゼ)で分解させ,その「反応量(F)と同位体比変化(Δ)の関係性」について調べ,同位体分別係数(α)を明らかにした。また、その内容について国際学会で発表をおこなった。 実験方法の詳細については,論文に掲載予定のため,ここでは割愛する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」にて示したように,達成目標(i)(ii)に相当する「アラニンの異化分解に伴う同位体比変化を明らかにすること」を目標に実験をおこない,アラニンを脱アミノ化酵素で分解し,その「反応量(F)と同位体比変化(Δ)の関係性」について調べ,同位体分別係数(α)を明らかにできた。また,その内容について国際学会で発表をおこない,世界の研究者からフィードバックを得ることができた。これらの情報に基づいて,令和6年度は同内容の論文の執筆し,公表することにより,研究者コミュニティに貢献していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は,二年目も(i)(ii)を継続しておこなう予定であったが,当初の予想以上に研究に進展があったため,二年目から(iii)に相当する「環境試料への適用を視野に入れた萌芽的研究」をおこなうための準備(試料選定など)を開始する予定である。 具体的には,環境試料を採取しそれに直接応用するだけではなく,実験室内で嫌気環境を再現し,そこからより精密な議論が可能になる試料(例えば,常に水が存在し,大気との接触が少ない嫌気的な土壌など)の作製すること等を考えている。
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