Project/Area Number |
23K13216
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榊間 大輝 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (50884194)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
|
Keywords | アモルファス / 力学特性 / 機械学習 / 分子動力学 |
Outline of Research at the Start |
アモルファス薄膜は微細化、構造の複雑化が進む半導体デバイスにおいて重要な役割を持つ。複雑な原子ネットワークを持つアモルファス構造に対する構造分析手法は確立されておらず、その機械的、電気的特性の理論的な予測、検討は容易ではない。本研究ではこの複雑性を克服するために、機械学習に基づく材料特性予測を活用した構造分析手法の構築に取り組む。具体的には、①第一原理計算や機械的ポテンシャルによるアモルファス構造のデータベースの作成、②原子ネットワーク構造と材料特性の関係の学習、③学習モデルからの特徴量抽出により、材料特性と強い関係のある構造の特徴因子を明らかにすることを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
アモルファス薄膜は微細化、構造の複雑化が進む半導体デバイスにおいて重要な役割を持つ。複雑な原子ネットワークを持つアモルファス構造に対する構造分析や、その機械的特性や電気的特性の理論的な予測、検討は容易ではない。本研究では、材料強度に関わる特性であるヤング率と電気的特性である誘電率を対象に、複雑なアモルファス構造を有する薄膜の材料特性間の相互関係やその背後にある物理を原子ネットワーク構造の観点から明らかにすることを目的としている。 2023年度は、構造データベースの作成として密度や組成(CおよびNの混入)を変化させた100原子程度のa-SiO2膜構造を多数作成し、原子ネットワーク構造とヤング率のデータベースを作成した。近年提案されたグラフニューラルネットワークに基づく機械学習型の原子間ポテンシャルを用いた古典分子動力学計算により、これまで困難であった第一原理計算に近い精度での構造作成を広い範囲で実現した。作成した構造データベースをもとに、a-SiOCの原子ネットワーク構造と体積弾性率の関係を明らかにし、炭素含有割合の増加による体積弾性率の上昇が、炭素原子がネットワーク中に取り込まれることによって構造全体の結合の密度が上昇することによるものであることを示唆する結果を得た。また、a-SiO2中でのCの凝集挙動に注目することで、酸素の存在条件により炭素の挙動が変わることを示した。以上の知見について国内学会で発表を行うと共に、論文へとまとめJournal of Applied Physics誌へと掲載された。また、同様の手法によりa-SiONの窒素含有の割合と体積弾性率、原子ネットワーク構造の関係を調査し上記の知見を支持する結果を得た。本結果についても現在論文執筆中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、構造データベースの作成として密度や組成(CおよびNの混入)を変化させた100原子程度のa-SiO2膜構造を多数作成した。原子ネットワーク構造とヤング率のデータベースを作成し、作成した構造データベースを分析することにより原子ネットワーク構造と体積弾性率の関係が結合の密度によること、また酸素の存在条件により混入元素の挙動が変わることがわかった。また、構造データベース作成の効率化として機械学習ポテンシャルに注目し、上記の検討を通して機械学習ポテンシャルが十分な精度で構造作成、力学特性の算出に使用可能であることを確認した。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず、2023年度に構築した構造作成フレームワークを展開し、他の元素の混入への展開を目指す。具体的には、SiO2中のCクラスターの分解プロセスとして注目されているNOやH2ガスの混入に対応するa-SiOCNやa-SiOCHを想定している。また、電気的特性である誘電率についても同様に組成、構造と材料特性の関係を明らかにできないかを検討する。電気的特性である誘電率は古典分子動力学計算では計算が難しく、多数の第一原理計算の効率的な実施が検討課題となる。また、グラフニューラルネットワーク等の機械学習技術を用いた材料特性予測の具体化にも取り組む。
|