Project/Area Number |
23K13217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高澤 拓也 福井大学, 工学部, 専門職員 (60741254)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | WC-Co超硬合金 / MSE法 / き裂の発生・進展 / 微小粒子衝突 / エロージョン |
Outline of Research at the Start |
WC-Co超硬合金では、破壊の起点となるき裂発生・進展に係るμm以下の領域に衝撃力が作用した際の破壊現象の解明が課題となっている。本研究は、μmオーダの粒子衝突エロージョンを応用したMicro Slurry-jet Erosion(以下、MSE)法を用い、WC粒径の異なる超硬合金に数百nm~数μmの粒子を投射、き裂を発生・進展させ、MSE法で計測した損傷率、SEM観察で計測したき裂数、エロージョン粉解析で得たWC・Coの脱落形態モデルの三者と、WC粒径に対するMSE法投射粒子径の関係解明を目的とする。本研究の成果により、従来は理論研究のみであった超硬合金のμm領域の破壊現象の知見を、実験研究の視点を融合した体系的知見に資する。
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Outline of Annual Research Achievements |
超硬合金の主構成要素であるWC粒子とMSE法の投射粒子との大きさの関係が損傷現象に及ぼす影響を明らかにするため、Co含有率が一定でWC粒径が異なる試料を調達、鏡面研磨し、研究のための試料の調整を行った。また、MSE法における投射粒子のサイズ(以下、メディア径)を選定し、予備試験を行うことで投射圧力などMSE法の具体的な試験条件を選定した。 試料は、切削工具等に用いられる高硬度のものから、土木工事のボーリング等に用いられる高靭性のものを想定し、WC粒径が0.5μm~10μmの範囲で5種類を調達した。Co含有率はWC粒径に対し実用的な範囲の15%一定とした。本研究ではMSE法のエロージョンによって発生するき裂の発生・進展箇所や組織の脱落形態、MSE法の損傷率であるE-rateを正確に捉えることが重要となるため、試験面を鏡面研磨することでこれらを正確に観察・計測できるよう対応した。また、研磨面の光学顕微鏡観察を行い、空隙などの欠陥がなく試料が正常に焼結されていることを確認した。これにより研究遂行に必要な試料の調整が完了した。 メディア径は、従来の研究で用いた粒子に近いものからμm以下の範囲として、平均粒径20μm~0.6μmの範囲で5種類を選定した。本研究では、メディア径の影響を捉えることが出来るように、MSE法の試験条件を適切に設定することが重要となる。そこで、予備試験として各粒子のスラリー濃度や投射圧力を変えながら標準試料に対しMSE法を実施し、最適な試験条件を選定した。また、試験装置についてスラリー循環に関する部品を複数調達して粒子毎に交換可能とすることで、異なる粒径のメディアの混入を防ぐ対策も行った。その結果、メディア径以外の影響が極力含まれず、且つ、超硬合金の損傷形態を調べるために充分なエロージョンを発生できる試験手順を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画ではR5年度中に超硬合金試料のMSE試験を行う予定となっていたが、試料の調達と調整、MSE試験条件の選定に留まった。MSE法はメディア径、スラリー濃度、投射圧力等の違いによってエロージョンの形態が大きく変わるため、本研究ではMSE法の試験条件の設定が非常に重要となる。メディア径以外の影響が極力含まれず、且つ、超硬合金の損傷形態を調べるために充分なエロージョンを発生させることが可能な試験手順を確立するため、予備試験を入念に行ったことで時間を要した。また、試料についても、なるべく広範囲なWC粒径かつCo含有率が一定のものを調達し、き裂の発生・進展箇所や組織の脱落形態、E-rateを正確に把握できるよう調整する必要があった。そのため、所要の組成の超硬合金を作製可能なメーカの調査と具体の作製条件の検討および、研磨など調達後の試料の調整や組織の確認に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の全体の推進方策について、当初の計画から大きな変更はない。試料の調整、試験条件の選定を入念に行ったことで、試料調整を含む超硬合金のMSE法実施の手順が確立できたため、順次試験を行っていく。MSE法により得られる超硬合金のエロージョン損傷面についてSEM観察を行い、表面観察によるき裂の発生位置と数の計測、脱落形態の同定を進める。また、断面観察のための試料加工に必要となる精密切断機の導入を現在進めているため、調達が完了次第、断面からのき裂の発生位置と数の計測、脱落形態の同定を進めていく。
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