Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)は耐摩耗添加剤の一つであり、金属表面においてナノオーダーの膜厚の反応膜を形成することで金属材料の摩耗を防ぐ。その優れた耐摩耗性故に、ZDDPは半世紀以上にわたり自動車用エンジン油中で使用されてきた。しかし、原子・ナノスケールでのZDDPの分解及び反応膜形成のメカニズムは未だ謎に包まれている。そこで本研究では、量子化学計算手法を用いることで、液中及び金属表面におけるZDDPの化学反応素過程、そして反応膜の形成メカニズムを明らかにする。さらに、それらの温度・荷重・せん断速度依存性を解明することで、ZDDPの化学反応・反応膜の原子構造制御の実現を目指す。