Project/Area Number |
23K13251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
楠野 宏明 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (90966029)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 気泡 / 界面活性剤 / マランゴニ / 偏光計測 / マイクロジェット / 境界層 / 表面張力 |
Outline of Research at the Start |
気ー液混相流では,液体の添加物によって大きく流動構造が変わることがある.その1つに挙げられるのが,洗剤のように界面張力を減少させる物質が界面に濃度分布を持ち,界面張力勾配が発生することに起因する「マランゴニ効果」である.これは,界面に沿った速度勾配によって起こる.本研究は,気泡とマイクロジェットという異なる速度勾配を持つ現象に着目し,“局所界面活性剤濃度を持つ二相流のバルク流動―界面張力勾配相互ダイナミクス”を調査するものである.
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,界面活性剤を添加した気液二相流で,接線方向に速度勾配を持つ場合に発現する界面活性剤の濃度分布,すなわち界面張力勾配(マランゴニ効果)と速度勾配の相互ダイナミクスの流動機構に焦点を当てる.速度勾配の異なる気泡の上昇とマイクロジェットの現象に着目し,数値解析と実験解析双方から流動機構の解明を図る. 2023年度は,単一気泡での実験検証と数値解析コードの開発に取り組んだ.単一気泡に関する実験的検証では,気泡周りの流れを偏光計測し,従来の数々の知見から推測される抗力係数とマランゴニ効果による気液境界条件の変動との関係性を実験的に初めて明らかにした.また,現在は物性値の異なる1-PentanolとTriton X-100の解析を進めている.数値解析ではopen sourceのBasiliskを使用する.Basiliskの利点はOpen sourceであるため拡張が容易であること,二相流に適したAMR法とVOF法を適用できる点にある.本研究では液体中の界面活性剤の移流拡散・吸着脱離・界面での移流拡散を計算できるように拡張している.現在2Dにおいて,液体中の界面活性剤の移流拡散,界面での移流拡散を解析できることは確認済みである. 今後は,実験では上記に示した物性値の異なる界面活性剤に着目し,速度勾配との関係性を確認する.数値解析は,残りの吸着脱離解くコードを構築する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験は概ね順調である.気泡の挙動を追従するトラバース装置の構築も済んでいるため,高解像度で気泡の相対挙動を追跡することができる.しかし,配属が変わり実験装置の準備や実験の段取りの変更を行う必要がありそうである.また,数値解析は2Dでのコード開発はほぼ終了しており残るは吸着と脱離の導入であり,コード検証の段階に入っている.研究実績の概要で示したように界面での拡散項の解析コード構築にやや時間を要した.拡散項を解くために,本研究の手法では気泡界面の値を界面でない空間へ外挿する必要があるが,AMRへの適用と外挿の精度の問題で拡散項の計算がうまくいかないことがある.処置として外挿の必要な領域まで格子の細分化を行うこととした.その結果,従来解析との比較検証し妥当な結果を得ている.
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Strategy for Future Research Activity |
実験で変更計測を行うには,高速度偏光カメラが必要不可欠であるため,前配属先との連携を図る.複数気泡の相対運動は予備実験により界面活性剤の物性と濃度を調整することで,実験で得られた流動場の主応力差と方位角は,軸対称であれば軸対称再構成を行うことで,各応力成分を導出できるよう準備は整っている.数値解析で最も困難を伴うであろう部分は,界面張力勾配の3Dへの拡張である.現在用いている気液二相流の界面張力勾配の導出は,2Dでは一意に定まるが3Dでは定まらないため,大きなコード変更が必要だと予想される.今後の拡張性を踏まえて,こちらに重点を置く予定. 得られた成果はJournal of Fluid Mechanics, Physics of Fluids, Physical Review Fluids, International Journal of Multiphase Flowなどへ投稿する予定.
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