Project/Area Number |
23K13254
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古免 久弥 大阪大学, 接合科学研究所, 講師 (80847989)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | アーク溶接 / シミュレーション / 可視化 / アークプラズマ / 溶接 |
Outline of Research at the Start |
本研究ではアークを熱源とし,タングステン電極近傍にキーホールと呼ばれる穴を形成するプラズマ溶接を対象とする.本研究の目的は,初期値によらず溶接中に自動で最適な溶接条件を決定し,均一な溶接部を形成できる新制御方法を確立することである. そのためにまずは,アーク-キーホール-溶融池の相互作用の謎を数値演算によって紐解き,溶接条件がキーホールや溶融池の形成に与える影響を明らかにする.そしてこの知見と,レーザ距離センサによるキーホール深さの測定,溶融池形状の画像診断から得られる情報に基づいて各溶接条件を変化させることで,安定したキーホールおよび溶融池の形成を達成するデジタルツインシステムを構築する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象であるプラズマ溶接は高速,高圧,高温のアークプラズマによって溶融金属を押し下げてキーホールと呼ばれる穴を形成し,深い溶込みが得られることが特徴である.しかしながら,キーホールの形成メカニズムには不明な点が多く残されており,その形状を維持できる溶接条件の選定は難しい.したがって,安定したプラズマ溶接の達成には膨大な時間をかけた実験による溶接条件選定が必要で,生産性低下の一因となっている.本研究ではこれを改善するため,これまでの試行錯誤的な条件選定作業を取り止め,溶接中に自動で最適な溶接条件を決定する新たな制御方法を確立することを目的とする. 令和5年度ではこの新たな制御方法を確立するための初期段階として,実験観察と数値演算の双方からプラズマ溶接中の溶融池対流現象の可視化を試みた.実験観察においては,まずはプラズマ溶接が可能な溶接機を導入し,高速度ビデオカメラを用いてアーク現象や溶融池の対流現象の観察を実施できる実験環境を構築した.そして,制御に必要なシステムの開発を開始した. 数値演算においてはプラズマ溶接中のアーク―キーホール―溶融池の数値演算を達成するため,まずはプラズマ溶接中のアーク現象を,格子法を用いてモデル化した.その後,溶融池挙動も同時に解くため,溶融池の流動を解く粒子法モデルと組み合わせた.これによりアーク現象と,キーホールの形成を含む溶融池対流現象を同時に解く連成計算モデルの構築を完了した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験の方はやや遅れつつも,数値演算に必要なモデルの構築は当初の予定通り進行しているためである.実験観察では決定された交付金でプラズマ溶接電源を導入し,プラズマ溶接中のアーク現象や溶融池の対流現象の観察が可能な実験環境を構築した.またシングルボードコンピュータを用いた制御システムの開発にも取りかかり,遅れつつも着実に開発を進めている. 数値演算については既存の演算機を利用した数値演算の実施のため,アークと溶融池を同時に解く連成数値演算モデルの構築に取り組み,完了した.
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Strategy for Future Research Activity |
実験観察においては引き続きシステム構築を進め,画像処理機構による制御系統を実装する.また,アークプラズマの温度計測やX線を用いた透過観察等の現象観察も実施していく. 数値演算においては当初の予定通り,本年度で構築した数値演算モデルを用いた数値実験を実施し,実験観察では解明が困難な,各溶接条件が溶融池の流動やキーホール形状に与える影響を明らかにすることを試みる. 以上を並行して実施することで,安定したキーホールおよび溶融池の形成を達成できるデジタルツインシステムを構築していく予定である.
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