Project/Area Number |
23K13272
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 19020:Thermal engineering-related
|
Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
坂本 勇樹 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (50845774)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 気液二相流 / 極低温 / 流量計測 / ボイド率 / ベンチュリ / 液体水素 |
Outline of Research at the Start |
クリーンエネルギーとして期待される水素の運搬・貯蔵方法としては,高密度な液体水素が有望である.液体水素は密度の面で有利であるが,-253℃で沸騰する極低温流体であることから取り扱いが難しく,特に飽和状態における簡便な流量計測方法が確立していない.本研究では,沸騰状態を含む極低温流体を簡便・堅牢・かつ高精度流量計測を実現するべく,単相流では確立された絞り流量計と,申請者が開発したボイド率計測技術を複合させることで理論に基づいた新たな流量計測法を開発するとともにその適用可能性を探る.
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は①簡易解析モデルによるボイド率計の計測精度が流量計測精度に及ぼす影響の評価,②ボイド率計とベンチュリ管を組み合わせたセンサの設計,③数値解析を用いたベンチュリ管流れの評価を行った. ①については気液の速度比であるスリップ比を1で固定し,絞り前後の速度変化に伴い圧力が降下し減圧沸騰するという仮定のもと気液二相流の絞り管流れの簡易解析モデルを構築した.この結果に対して,ボイド率のみ計測誤差を有しているとし,今回提案する流量解析手法を適用して流量計測精度に及ぼす影響を評価した.本解析より絞り比が大きいほどボイド率計の計測誤差が流量計測誤差に及ぼす影響は小さくなり,想定する流量範囲では絞り比5以上確保することが望ましいことが明らかになった.ただし実際のセンサ設計においては,絞りによる圧力損失や加工精度を考慮する必要がある. ②については,当初コーティングによる絶縁皮膜を除きすべて金属部品で構成する「オール金属ボイド率計」の適用を想定していたが,計測精度の観点から従来申請者が開発している樹脂配管外部に極板を設置する「非対称型ボイド率計」に変更した.ただし小型化の観点から従来の「コの字」極板ではなく上下部が円弧状に曲がった極板とした.絞り部はJIS規格を参考に絞り角度を設計している. ③については,助走区間の評価や絞り過程で生じる現象理解のために,研究協力者とともに相変化を考慮した絞り管流れの数値解析を行った.絞りによる減圧沸騰は再現できたものの物理量の保存性に課題があることが明らかになっており引き続き解析手法の確立に取り組んでいる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ボイド率計の製作に必要なコネクタが長納期であったこと,絞り管流れのシミュレーションツール構築に時間を要したことから2023年度のセンサ製作は見送った.ただしセンサ設計はおおむね完了していることから,2024年度前半には製作に着手でき,2024年度後半には実液を用いた試験に供せる見込みである.
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は①試験装置の改修およびセンサ部の製作,②液体窒素・液体水素実液をもちいた評価試験,③気液二相流における絞り管流れの解析ツールの構築に取り組む.①については,既存試験供試体にあわせて絞り前の配管径を15 mmとし,絞り後の配管径は2023年度検討結果から4 mmとする方針である.またセンサを設置する真空チャンバも合わせて製作予定である.②については2024年度下期に能代ロケット実験場にて1回目の実液評価試験を実施する計画である.③については現在課題となっている保存性の改善および簡易評価ツールとの比較を行う計画である.また②で得られる実験結果との比較・検証を行い,必要に応じて液体水素流れに適したモデルの構築に取り組む. 2025年度には,2024年度得られた結果をもとにセンサ部の形状変更等を行ったうえ再度液体水素を用いた試験を実施し,計測手法の確立へと展開する計画である.
|