Project/Area Number |
23K13281
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 20020:Robotics and intelligent system-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宇野 健太朗 東北大学, 工学研究科, 助教 (90944207)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | クライミングロボット / 脚型ロボット / グリッパ / 把持 / 移動ロボット / つかみごたえ / SLAM / 最適化制御 |
Outline of Research at the Start |
壁や天井を移動可能なクライミングロボットを地質調査やインフラ点検,災害対応などに実用化することは,将来の持続可能なロボット社会実現のための最重要課題である.これまでの多くのクライミング運動制御手法は準静的運動を想定しており,脚ロボットのダイナミックな運動性能を最大限発揮していない.本研究では,ロボット足先の振動・力計測にもとづく「つかみごたえ」評価指標を定式化し,これをグリッパ把持動作と胴体制御に活用することで,脚型クライミングロボットのための動的運動制御手法を新たに構築し,実現場への幅広い応用をはかる.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,これまでの脚型ロボットの転倒安定性理論に着目し,転倒生成モーメントの計算式を式変形することで,重力慣性加速度GIAにとっての安定条件を抽出した「GIA安定空間」として3次元的に可視化し,この理論にもとづく定量的評価指標である「GIA安定余裕」を用いた運動計画手法を提案し,シミュレーションによってその有効性を検証した. GIA安定余裕を最大化するロボットの姿勢は,平地において把持力を考慮しない場合には従来の転倒安定性理論にもとづく最も安定な姿勢と同一となることを確かめ,従来の理論から本理論への連続性を確かめた.また,重心投影点やZMPが定義できない壁登りをおこなうケースにおいても,GIAを用いた安定性理論は安定余裕を視覚的に示すに有効であり,同じ理論体系で平地歩行時と壁登り時のロボットの安定性を評価可能であることを示した.以上の成果は学術論文誌に掲載される予定の内容である. また,フリークライミングロボットの登攀実験を行うために,地形・補償重力・傾斜度を任意に設定できる実験環境を開発し,小型四脚クライミングロボットによる登攀実験をおこなった.このテストフィールドは任意の角度に傾斜を設定でき,岩石質の凹凸地形を模擬するためのクライミングホールドや軽石を任意の配置で固定できる.また,地上以外の重力環境を再現するために,Core XY機構を用いた重力補償およびロボットの移動に伴い重心を追尾する2次元移動装置が組み込まれている.本成果は国際学会で発表したものである. 最後に,鉤爪を用いた地形表面把持機構(=グリッパ)をより強靭な把持力を発揮できるように改良し,手首部に手先反力の精密な計測のための力覚センサを搭載した脚型クライミングロボットLIMBEROを完成させ,上記のテストフィールド上でロボットの基本動作を確認することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,本研究に必要なロボットの開発を一年で終え,またロボット実機実験に必須であるクライミング実験フィールドの改良開発を終えることができた.以上の理由から,本研究はおおむね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度,これまで開発してきた鉤爪型グリッパの把持性能を大きく改善し,力覚センシング機能を有するセンサ内蔵グリッパを開発し,鉤爪一本一本の接触点で受ける反力とグリッパの指を閉じるバネの復元力等を考慮した静力学のつり合い式を立てることで,接触点の分布とグリッパ把持力の関係式を構築した.しかしながら実際は,爪先の接触の有無を各点ごとに計測することは困難であり,かつ,グリッパの把持力は,そのほか地形表面に破壊が無いかどうか,というような極めて不確定性の強い力学現象に依存していることも明らかとなってきた.したがって力学的不確定性の大きな把持力学のモデル化には引き続き取り組むものの,安定したクライミングロボットの歩容制御においては,力覚センサを用いて把持力を直接計測し,不十分・不適切な把持状態の時には対象を掴みなおすような「つかみごたえ」のモニタリングとフィードバックを行うことで結果として安全なクライミング移動に十分な把持が行えるロボットシステムを作り上げる.これは本研究の最も根幹をなす技術と位置付けられる.次年度は,今年度に開発を完了させることができた力覚センサ内蔵グリッパを搭載した脚型クライミングロボットLIMBEROを用いて,反力フィードバックにもとづく安定クライミング制御の実装に本格的に取り組んでゆく予定である.
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