Project/Area Number |
23K13318
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 21010:Power engineering-related
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
太田 涼介 東京都立大学, システムデザイン研究科, 助教 (60866193)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
|
Keywords | 電気自動車 / ワイヤレス電力伝送 / 無線給電 / ワイヤレス給電 / 走行中給電 / 非接触給電 / マルチポートコンバータ / 補機 / Wireless power transfer |
Outline of Research at the Start |
本研究では,走行中ワイヤレス給電システムの車載電力変換器に補機用バッテリの充電機能を統合することで,システムの高性能化(高効率化と放射電磁ノイズの抑制)と低コスト化を同時に達成することを目指している。 はじめに,本研究の基本概念の有効性を確認するために,機能統合した電力変換器の試作機ver. 1を製作し,動作確認を行う。その後,機能統合した電力変換器の回路方式をいくつか挙げ,それらを理論解析及び実機により比較を行う。そして,その検討結果を基に,試作機ver. 2を製作する。最後に,走行中のEVを模擬できるシミュレーション及び実験装置において,試作機ver. 2の動作方法を検討し,明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
近年,EVの走行距離を飛躍的に伸ばす技術として,走行中非接触給電(DWPT; Dynamic Wireless Power Transfer)が注目されている。DWPTは,停車中のものに比べて短時間で大電力を送る必要があるため,システムの電力変換回路の変換効率の向上や電力変換に伴う放射電磁ノイズの抑制がこれまで以上に求められている。さらに,大電力化に伴いコストも増加するため,DWPTシステムは高性能であることに加えて,低コストであることが求められるが,その実現は容易ではない。そこで,本研究では,DWPTシステムを含めた車載パワーエレクトロニクスシステムの一部を機能統合する,新しい回路方式を提案することで,システムの高性能化(高効率化と放射電磁ノイズの抑制)と低コスト化を同時に達成することを目指している。 DWPTシステム用の車載AC/DCコンバータは85 kHz帯で動作させ,数十kWの電力変換を担うこととなるため,SiC等を用いた高価なパワーデバイスを用いる必要がある。しかし,DWPTによる充電時のみ動作するため,設備利用率が低く,コストを増加させる原因の一つとなっている。本研究が提案する回路方式では,DWPT用の高性能なパワーデバイスを用いたAC/DCコンバータを,DWPTの休止期間に補機用バッテリの充電器として利用する。これにより,補機用バッテリ充電器に用いられていた最大4~2つのパワーデバイスを削減すると共に,高効率な電力変換を行うことができる。 2023年度は,本研究の申請時に示していた提案回路方式の方向性・動作指針を改めて検討し,当初方式よりも二つの受動部品(インダクタ及びキャパシタ)を減らすことに成功した。そのため,改めて,提案回路方式の設計方法を確立し,その設計指針に基づき提案回路の試作及び動作確認を行った。実験では,設計指針に沿った動作を確認できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は,本研究の申請時に示していた提案回路方式の方向性・動作指針を改めて検討し,当初方式よりも二つの受動部品(インダクタ及びキャパシタ)を減らすことに成功した。当初の構想では,提案コンバータに接続される補機系統部分は,ソフトスイッチングを促す役割をするLC回路と,絶縁型DC/DCコンバータの役割を担うLLC回路の2つで構成されていた。そのため,最低限の受動部品として,インダクタが2つ,変圧器が1つ,キャパシタが2つ必要であり,実機を製作すると比較的体積が大きかった。そのため,ひとつのインダクタとキャパシタに両回路の機能を統合することで,部品点数及び体積の削減を図った。 また,当初の予定では,LLCコンバータをWPT側の85kHzよりも高い周波数で動作させることを考えていたが,検討を進めた結果,設計及び制御が複雑で制限のあるものになることがわかった。そこで,WPT側の85kHzよりも低く動作周波数を決めることで,上記の問題が緩和された。 上記の新たな指針より,提案コンバータの詳細な設計方法及び理論特性を明らかにした。さらに,その設計方法に基づき,新たな実機を試作し,動作確認及び実験的な特性を確認した。実験では,設計指針に沿った動作を確認できた。 上記の結果は,パワーエレクトロニクス分野におけるIEEEの最も著名な国際会議ECCEに投稿し,査読結果を待っている最中である。加えて,特許申請の準備を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
提案コンバータの基本的な動作及び特性は確認できたため,2025年度は,走行中給電下における動作モードの切り替え方法の検討を計画通り行う予定である。はじめは,回路シミュレータ上で上記を満たす環境を構築し,検討を進めていく。特に,最初は,電気自動車側のコイルを動かしていない状態で,動作モードの切り替え方法を検討し,徐々に実際に近い環境で検討していくようにする。 また,当初の予定で想定していたコンバータの回路構成を見直していたこともあり,補機系統側の共振回路方式の種類検討を十分に行えていない。そこで,この基礎的な検討についても並行して進めていく予定である。 上記に関して,シミュレーション上で十分な検討を行った後,実機を用いて,その切り替え方法の実装を行う。その際も,簡単な条件から徐々に実際に近い環境で検討していく。その際,必要に応じてセンサの追加,実装等を行う。
|