Project/Area Number |
23K13354
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 21040:Control and system engineering-related
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
星野 光 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (30836292)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | マルチスケール / モデル予測制御 / 安全性 / コージェネレーション / 地域熱供給 / マルチエネルギーシステム / 周波数制御 |
Outline of Research at the Start |
本課題では,地域熱供給システムに分散設置されたコージェネレーションプラントの電力需給制御(電力系統の負荷周波数制御)への活用を可能とするために必要となる電気と熱の統合供給ネットワークのモデリングおよび制御法の研究を行う.特に,電力および熱需要の不確かさやパラメータの不確かさに対してロバストな制御系の設計を目指して,それに適した非線形状態方程式モデルの導出方法およびそのモデルに基づきシステムの安全性を保証する制御法を開発する.
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Outline of Annual Research Achievements |
電気と熱の統合供給ネットワークのような複合時間スケールシステムの安全制御を行うことを目的として,今年度は主に長時間スケールの安全性を考慮したモデル予測制御法に関する研究に取り組んだ.具体的には(1)長時間の安全性を即時的制約として考慮するための安全性評価手法の開発と(2)任意の時間間隔でのサンプリングを可能とする離散化手法の開発を行った. (1)長時間の安全性の評価手法の開発:数理モデルにより将来の挙動を予測しながら最適な制御入力を決定するモデル予測制御においては,長時間の安全性をそのまま考慮すると計算時間の観点から実時間での実行が困難になる.そこで本研究では,長時間の安全性を即時的制約として考慮するための状態軌道の安全確率を求める問題を最適制御問題により定式化した.さらに,それを強化学習の枠組みに基づき推定する手法の開発を行った.上記の定式化に基づく強化学習の問題では安全性に関するスパースな報酬から学習を行う必要があるため通常の強化学習アルゴリズムでは学習が難しくなるのに対し,数理モデルの情報を偏微分方程式として取り込んだPhysics-informed強化学習による安全確率推定の枠組みを提案した. (2)任意時間間隔での離散化手法の開発:モデル予測制御では時間に関して離散化された数理モデルを用いるが,本研究で対象とするような複合時間スケールシステムでは,現在広く利用されている有限差分法を適用すると, その離散化誤差を抑えるために,最も早い時間スケールに合わせてサンプリングの時間間隔を選ぶ必要がある.本研究では,任意の時間間隔でサンプリングを行った場合でも離散化誤差が小さく抑えられる変分方程式を用いたモデル予測制御法の提案を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は複合時間スケールシステムの安全制御に関する検討を中心に行った.これらの検討は実時間での計算量が問題となりやすいモデル予測制御を用いて長時間の安全性を考慮した制御を行うための基礎となるものである.上記研究項目(1)の安全確率の評価手法については当初の計画になかったものの,数理モデルの不確かさに対応するための重要な知見が得られた.このことから一年目の検討としては十分な成果が得られたと考えている.一方,当初の計画と照らすと,電気と熱の統合供給ネットワークの数理モデル化に関する研究での進捗が遅れている.そのため全体の進捗状況としてはやや遅れているという判断とした.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は複合時間スケールシステムの安全制御という目標に向けて,主に長時間スケールの安全性を考慮したモデル予測制御法に関する研究に取り組んだ.今後は上記の成果に基づくモデル予測制御法を用いた応用研究をより推進していく予定である.
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