Project/Area Number |
23K13387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 22010:Civil engineering material, execution and construction management-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 駿人 東北大学, 工学研究科, 特任助教 (30861786)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 解体 / RC構造物 / 環境負荷低減 / 資源循環 / 静的破砕剤 / 超音波 |
Outline of Research at the Start |
老朽化した鉄筋コンクリート構造物が大量に存在する日本のインフラや資源のストックの現状を鑑みて,リサイクルに直結する「解体」技術の発展が必要不可欠である.そこで本研究では,静的破砕剤の高次利用や,超音波による共振現象を活用に着目し,無筋/鉄筋コンクリート構造物を自由自在に解体できるよう解析・実験の両面で検討し,“解体効率を担保しながら,環境負荷低減を実現し,解体とリサイクルを直結させる革新的な解体工法”の開発に資する知見の取得を目的とする.本研究の達成により,建設産業において省エネルギー,省資源,実質CO2排出量低減が実現され,持続可能な産業に導く大きな推進力となることが期待される.
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Outline of Annual Research Achievements |
老朽化したRC構造物が大量に存在する日本のインフラや,資源のストックの現状を鑑みて,リサイクルに直結する「解体」技術の発展が必要不可欠である.そこで,本研究では,①静的破砕剤の高次利用や,②超音波の活用,の2点に着目し,無筋/RCコンクリート構造物を自由自在に解体できるよう解析・実験の両面で検討し,“解体効率を担保しながら,環境負荷低減を実現し,解体とリサイクルを直結させる革新的な解体工法”の開発に資する知見の取得を目的としている. 2023年度は,①に関して,RC構造物の効率的かつ環境負荷を低減した解体を実現するための基礎的な検討を,剛体バネモデルによる3次元微細構造解析(3D-RBSM)により実施した.ひび割れの進展方向についてX線CT法を用いた実験と3D-RBSMによる解析の整合性を確認した.また,小型RCモデル供試体を対象とし,静的破砕剤の配置条件やスターラップの有無をパラメータとして解析を実施し,特にスターラップの存在がひび割れの進展およびひび割れ幅に大きく影響を与えることが確認できた. ②に関して,セメント系材料に超音波加振した際の破壊メカニズムに関して基礎的な検討を行った.その結果,コンクリートでも秒単位で30mm程度の初期破壊を誘導することができた.また,装置の出力と荷重による仕事の比較から,装置の出力は独自の急激な増幅が見られ,その増幅量は骨材量に影響していた.また,破壊発生のメカニズムは,超音波の粗密波が局所化してエネルギーが蓄積している領域があるためと推察された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①に関して,実構造物に適用する場合は,あらゆる構造形式に対して効率的に解体するための検討が必要であり,そのためには解析技術の開発が不可欠であるが,静的破砕剤を用いたひび割れの進展方向についてX線CT法を用いた実験と3D-RBSMによる解析の整合性を確認できたため,今後の汎用化が期待できる結果が得られた.これらについて,国際学会の査読付プロシーディングスに採択され,発表予定である. また,②超音波の活用に関して,セメント系材料に超音波加振した際の破壊メカニズムに関して基礎的な検討を行い,メカニズムは,超音波の粗密波が局所化してエネルギーが蓄積している領域があるためと推察され,今後の検討に向けて有益なデータが得られた.また国内学会の査読付プロシーディングスに投稿済である. 以上より,2023年度は,おおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
①静的破砕剤の高次利用に関して,実構造物への適用を目指し,RC実構造物を選定して,その設計図書をもとにした解析の実行および実解体を行う.解体塊の径を設定し,それに基づく理想的な解体シナリオを解析ベースで作成し,ひび割れ進展および解体塊の作製実現性を確認したうえで,実際の解体を実行する.結果をもとに,解析アルゴリズムにフィードバックし,最適な解析システム作製に向けて検討する. ②超音波の活用に関して,実構造物への適用に向けて,今年度は超音波のホーンの形状が破壊メカニズムに与える影響について検討する.汎用ソフトウェアDIANAを用いて有限要素法を実施し,振動特性を解析することにより,溶着強度を最大化する最適なホーン形状を検討して製作する.実験では,コンクリートブロック供試体に対して加振し,破壊メカニズムをハイスピードカメラや,AEセンサ,サーモグラフィーなどを用いて検討する.また,意図通りのひび割れが導入されるかを検討する.
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